ダイワ 「19 バリスティック FW」とベースとなった「17 セオリー」を比較してみました。

同型のZAION製ボディを採用した「18 カルディア」も交えてスペック比較。

エアローターのグレードに、LTコンセプトにマグシールド、そしてリニアシャフトの有無と、必ずしもバリスティックFWが上位モデルということではないようですが、それでもトップクラスの軽量・低慣性リールとなっています。



同型ボディの17セオリー・18カルディア・19バリスティックFWを比較

同じ型のザイオン製ボディを採用している「17 セオリー」、「18 カルディア」、「19 バリスティック FW」の技術特性・スペックを比較してみました。

自重・価格の数値はセオリー:1003、カルディア・バリスティック:LT1000の数値となります。

\ 17 セオリー 18 カルディア 19 バリスティックFW
LTコンセプト
スプール 薄肉アルミ 薄肉アルミ 薄肉アルミ
スプールエッジ ABSⅡ LC-ABS LC-ABS
ローター ZAION DS5 ZAION(上位)
ラインローラー 1BB(2BB可) 1BB(2BB可) 2BB
ボディ ZAION ZAION ZAION(肉抜きなし)
ギヤ MCデジギヤ タフデジギヤ MCタフデジギヤ
ギヤ素材 アルミ(ジュラルミン) 亜鉛ダイキャスト アルミ(ジュラルミン)
マグシールド
リニアシャフト
自重 155g 170g 160g
ベアリング数 7/1(MAX 11/1) 6/1(MAX 10/1) 7/1(MAX 10/1)
価格 31,000円 22,100円* 34,000円*


軽量・コンパクトなZAION製ボディ

いずれも軽量かつコンパクトなザイオン製ボディを採用しています。

17セオリーで初採用されたこちらのボディフレーム。

従来の取り外し可能なエンジンプレートこそ採用されていないものの、マグシールド部に触れずにボディカバーを開けることができ、メインギヤのシム調整や簡単なグリスアップが可能となっています。

また、セオリー・カルディアは脚部分が肉抜きされていますが、バリスティックFWはそれが埋められ強度アップが図られているようです。
(最小サイズである#1000番ボディに何を今更な感じですが)



「マシンカットデジギヤ」と「マシンカットタフデジギヤ」

セオリーのギヤはアルミマシンカットデジギヤ(MCデジギヤ)、バリスティックはアルミマシンカットタフデジギヤ(MCタフデジギヤ)となります。

材質はいずれもジュラルミン製。

カルディアはランクダウンして亜鉛ダイキャスト製のタフデジギヤとなります。

ギアのスペックは以下のイメージ。

重量:MCデジギヤ=MCタフデジギヤ<<<<タフデジギヤ

強度:MCタフデジギヤ>MCデジギヤ>>>>タフデジギヤ

参考:セオリーの回転を支える、『マシンカット』ギヤーって? – PRESSO PRESS



軽量な薄肉アルミ製スプール

いずれも軽量な薄肉アルミ製スプールを採用。

セオリーのスプールも十分に軽量ですが、LTコンセプトモデルであるカルディア・バリスティックFWの方がより軽量です。

同じ2000番スプールでも、スプール径が1mm小口径化(φ43→φ42)されたとはいえ、約4グラムも軽くなっています。

参考までに
17セオリー 2004:27.4g
18カルディア LT1000S-P:19.15g
19バリスティックFW LT2000SS-XH:23.02g



また、LTコンセプトによる大口径ドラグノブと、LC-ABSの採用も大きいでしょう。



【軽量・低慣性】 ZAION製エアローター

軽量・低慣性の要となるのがZAION製のエアローター。

長年出し惜しみされ、15ルビアスにすら採用されなかったこのザイオン製エアローターをようやくミドルレンジの17セオリーに採用。

19バリスティックFWでは、更に上位のハイエンドモデルに採用されているタイプと同等のものを採用しています。

参考までに 各1000-2000番ローター重量
07ルビアス ZAION製ローター:30.4g
15フリームス DS4製エアローター:45.2g
18カルディア DS5製エアローター:38.6g
17セオリー ZAION製エアローター:32.4g
19バリスティックFW ZAION製エアローター(上位):30.94g



防水機構マグシールドの有無

マグオイル(磁性流体)による防水・防塵機構「マグシールド」。

ソルト対応のセオリー・カルディアには搭載されていますが、淡水専用のバリスティックFWには搭載されていません。

釣種、潮を被るような状況での釣りには、マグシールドの効果は確かにあります。

反面、そうでないアジングなどの漁港メインの釣りには不要な代物。

1000-2000番を使うライトゲーム全般には、マグシールドの防水効果より、マグシールドレスによる巻きの軽さへの恩恵が大きいです。



ちなみにマグシールドレスのバリスティックFWをマグシールド可することはできませんが、マグシールド搭載のセオリー・カルディアはマグシールドレス可することができます。



リニアシャフト:ローターナットベアリングの有無

ローターナットベアリング:ローターを固定するナット内にBBを内蔵し、メインシャフトとピニオンギヤを独立支持する構造。

ダイワはこれを「リニアシャフト」という名称でテクノロジーの一つとしています。

セオリー以上のモデルに採用されている技術で、当然バリスティックFWにも採用されているものと思いきや、まさかの非搭載…。

ピニオンギヤの長さが異なるため、部品を移植してもリニアシャフトにはできません。



【155g】 重量は互角 【160g】

カタログスペックでは、17セオリー 1003の重量が155gなのに対し、19バリスティックFW LT1000-2000は160gと、セオリーの方が5グラム軽量となっています。

しかし、セオリー1003の実測重量は158g前後らしく、バリスティックFWと互角。

重量差が生まれる要素として、スプール・ローターはバリスティックFWの方が軽く、セオリーが勝っている点はローターナットとピニオンギヤの僅かな長さ違いのみとなります。



てんこ盛りスペックの「17 セオリー」

改めてミドルレンジクラスながらてんこ盛りスペックだったことが判明した「17 セオリー」。

3000番以上はともかく、2500番以下、特に1003と2004はライトゲーム全般に非常に優秀なリールです。

2019年2月現在、唯一の1000番ボディとなる1003番が市場から消えている不思議…。



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よりレスポインスに優れた「19 バリスティック FW」

まさかのリニアシャフト非搭載にはがっかりしましたが、LTコンセプトによる大口径ドラグノブロングキャストABSは捨て難いです。

そして何といってもハイエンドモデルと同等のZAION製エアローター。

シームレス新形状エアベールも非常に美しく、最軽量のエアローターにマグシールドレスと相まってトップクラスの軽量・低慣性リールとなっています。

そのレスポインスの良さは、バスにトラウト、海のライトゲーム全般に有用でしょう。



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