シマノの大型スピニング「ツインパワーSW」がモデルチェンジ。

主要な最新技術が採用され、ステラSWの下位モデルとして無難にまとまっています。

妥協なきタフネス性能 シマノ 21 ツインパワーSW

強さがなければ始まらない!
ツインパワーSWが貫く妥協なきタフネス。

ソルトゲーム用のリールに求められる「強さのカタチ」は実に多様だ。ハードな使用にも耐える剛性感とタフネス、海水の侵入を防ぐ強固な防水性能、そして何よりも求められるのは巻き上げのパワー。新しいツインパワーSWはインフィニティドライブ、ヒートシンクドラグなどステラSWの強さを受け継ぐ機構を惜しげもなく搭載。オーバースペックとさえ言える卓越した巻き上げ力と耐久性がもたらす圧倒的な信頼感は、ショア、オフショアを問わず一歩先を目指すアングラーを強力にサポートする。

キャプチャ・引用元:ツインパワーSW[TWIN POWER SW]|シマノ -SHIMANO-

ラインナップ・スペック、価格、発売日

ラインナップは、4000~14000番までの全12種。

前モデルと同じ番手ラインナップに一部ギア比違いが追加されています。

品番 ギア比 最大巻上長 実用/最大ドラグ力 自重 スプール寸法 PE糸巻量 ハンドル長 ベアリング数 本体価格
4000XG 6.2 101cm 7/11kg 350g φ52/19mm 1.5号-320m 60mm 9/1 52,900円
5000HG 5.7 97cm 8/13kg 415g φ54/19mm 2号-350m 65mm 10/1 61,500円
5000XG 6.2 105cm 8/13kg 415g φ54/19mm 2号-350m 65mm 10/1 61,500円
6000PG 4.6 83cm 8/13kg 420g φ57.5/19mm 3号-300m 65mm 10/1 61,500円
6000HG 5.7 103cm 8/13kg 420g φ57.5/19mm 3号-300m 65mm 10/1 61,500円
6000XG 6.2 112cm 8/13kg 420g φ57.5/19mm 3号-300m 65mm 10/1 61,500円
8000PG 4.9 94cm 14/25kg 615g φ61/22mm 4号-300m 75mm 10/1 72,300円
8000HG 5.6 107cm 14/25kg 615g φ61/22mm 4号-300m 75mm 10/1 72,300円
10000PG 4.9 102cm 14/25kg 655g φ66/22mm 5号-300m 75mm 10/1 72,300円
10000HG 5.6 116cm 14/25kg 655g φ66/22mm 5号-300m 75mm 10/1 72,300円
14000PG 4.9 106cm 14/25kg 660g φ68.6/22mm 6号-300m 75mm 10/1 72,300円
14000XG 6.2 134cm 14/25kg 660g φ68.6/22mm 6号-300m 80mm 10/1 72,300円

<備考>
・8000~14000番はハンドルリターン機能なし
・IPX8相当(ボディ部)
・ストッパーの切替機構非搭載
・8000番はPEライン専用

4000番のみベアリング数が1つ少ないですが、要因は今のところ不明です。

発売は、8000/10000/14000番が2021年3月、4000/5000/6000番が4月、14000番が5月発売予定。

リールのサイズ感、互換性について

「21 ツインパワーSW」のサイズ感(リール構成)と、スプール互換性についてまとめてみました。

構成 ボディサイズ ローターサイズ スプール径 スプール互換グループ
4000 #5000 #4000 φ52mm 4000のみ S-28
5000 #5000 φ54mm 5000-6000 S-7
6000 φ57.5mm
8000 #10000 #8000 φ61mm 8000のみ
10000 #10000 φ66mm 10000-14000 S-10/S-17
14000 φ68.6mm

互換のS-○は夢屋の互換表記

ボディサイズは、#5000、#10000の2サイズ。

4000番について、シマノは汎用モデルとSWモデルで4000番の構成が異なります。

「20 ステラSW」と「21 ツインパワーSW」は4000番と5000番で共通の#5000ボディ採用。

4000番と5000番の重量差からボディサイズが異なるように思われますが、両者でローターサイズ・形状が大きく異なり、これが重量差の要因となっているようです。

また、同じSWモデルでも「20 ストラディックSW」の4000番は汎用スピニングの#4000ボディを採用しています。

スプール互換は、
・4000番のみ(汎用スピニング4000番※とも互換性あり)
・5000-6000番間
・8000番のみ
・10000-14000間
で互換性があります。

※汎用スピニングはロングストロークスプール採用モデルのみ

いずれも前モデルと互換性があるようです。(ドラグノブとセット?)

詳細はシマノのスプール互換表を参照下さい。




「21 ツインパワーSW」の特徴

「21 ツインパワーSW」の特徴とスペック、採用テクノロジーをチェックしてみました。

【HAGANEボディ】 アルミ製ハイブリッドボディ

まずはボディ。

大事な部位だというのにHAGANEボディとしか書かれていません。

こちらは「19 ステラSW」と同型のようですが、ステラSWがフルメタルなのに対し、「21 ツインパワーSW」は、メインとなる脚つきボディがアルミ製、フタが高強度樹脂(CI4+?)のハイブリッドボディとなっています。

所謂 “半プラ” と呼ばれる構成ですが、これは前モデルも同様でステラSWとの差別化ポイントとなっています。

ギアは定番のHAGANEギアを搭載。

【メタルローター】 剛性に優れたXリジッドローター

アルミニウム合金を使用し、3次元解析を重ねながら肉厚配置を細部まで検証することで、これまでよりさらに強靭な剛性・耐久性と優れた回転バランスを実現。この高剛性によって、ドラグほか各部の機能向上にも貢献。

前モデル同様に剛性に優れたアルミ製のローターを採用しています。

緻密な検証により設計された「Xリジッドローター」。

撓みのないローターにより、高負荷時でも安定したドラグ性能を発揮します。

軽い巻き上げを実現するインフィニティドライブ

従来のX-SHIP構造は、ピニオンギア両端をベアリングで支持することで軽い巻き上げを実現しました。今回のNEWモデルには、その構造をより進化させたインフィニティドライブ構造を搭載。これまでピニオンギアで支持していたメインシャフトを非接触化し、特殊低摩擦ブッシュで支持することでメインシャフトの摺動抵抗を大幅に軽減。加えて、メインシャフト自体に特殊表面処理を施し、さらなる低摩擦化に成功。回転トルクを従来比約30%低減※し、高負荷時でも積極的に巻き上げられるパワフルなリールへと進化しました。
※当社比較テストによる。

X-SHIPを進化させた「インフィニティドライブ」を搭載。

メインシャフトを特殊低摩擦ブッシュで支持することで摺動抵抗を大幅に軽減し、軽い巻き上げを実現します。

ドラグ性能と耐久性を向上させるヒートシンクドラグ

従来のXタフドラグは、ドラグ機構部をスプール下部に配置するという画期的な構造で、圧倒的なドラグ性能と耐久性の向上を実現しました。今回のNEWモデルには、さらに熱にも強く進化したヒートシンクドラグを搭載。ドラグ部で発生した熱をスプール外へ逃がすヒートシンクパネルにより、熱ダレによるドラグ力低下を約50%改善※。また、スプール糸巻き部へと流れる熱を遮断する断熱シートによって、糸巻き部の温度上昇を約30%減少※させることに成功しました。ラインによりやさしく、より安定したドラグへと進化しました。(10000PG、10000HG、14000PG、14000XG)
※当社比較テストによる。

ドラグ部にヒートシンクパネルを設けることにより、高負荷時に発生した熱をスプール外へ逃がし、熱ダレによるドラグ力低下を防止します。

こちらは10000番、14000番のみの搭載となります。

耐熱性・耐久性に優れたXタフドラグ

各ワッシャを金属とカーボンのみで構成し、スプールを上下両方向から支持。耐熱性・耐久性の向上により「スムーズで安定したドラグ性能」に磨きが掛かりました。(4000XG以外)

前モデルと同様にスムーズで安定したドラグ性能を発揮する「Xタフドラグ」を搭載。

こちらは「4000XG」のみ非搭載となります。

その他、「リジットサポートドラグ」は全番手搭載。

【防水構造】 XプロテクトにXシールド

防水機構・構造に、各種「Xプロテクト」、「Xシールド」搭載と、徹底した防水性の向上が図られています。

Xプロテクト for ラインローラー

前モデルのストッパーベアリング部に搭載し、高い防水性能の実現に大きく貢献したXプロテクト構造。今回のNEWツインパワーSWには、ストッパーベアリング部に加え、ラインローラー部にもそのXプロテクト構造を搭載し、さらに防水性能が向上しました。ストッパーベアリング部と同様に、海水の侵入経路をシール部材で物理的に遮断することで、高い水圧にも耐えられる構造へと進化。ラインローラー内部のベアリングを過酷な環境下から守り抜き、従来品に比べ、ベアリングの耐久性は従来比10倍以上※に。
※当社比較テストによる。

Xプロテクト for ストッパーベアリング

ストッパーベアリング部に接触型トリプルリップ構造を採用。特殊グリスを充填することで摩擦抵抗を抑え、シルキーな回転性能を損なうことなく高い防水性能を発揮。Xシールドとの相乗効果でボディ部の防水性能は防水規格IPX8相当を実現。

ボディ内への浸水を防ぐXシールド

ボディ・フタ合わせ面、スプール・ドラグノブ接触部をはじめ、随所に強力なシーリングを施し、水の浸入経路を遮断。過酷な条件下で繰り広げられるSWゲームにおいて、高い信頼性、耐久性を確保します。

CI4+ハンドルノブ/ライトウェイト中空オーバルラウンド

4000番から8000番までの機種には、剛性と耐久性に優れた軽量カーボン素材CI4+のハンドルノブを採用。いっそうの軽量化を実現すると同時に特殊コーティングで滑りにくい加工を施し、巻き上げの滑らかさがさらにアップ。抜群の使用感を得られる。(10000~14000番ではライトウェイト中空オーバルラウンドのハンドルノブを標準装備。)

4000/5000/6000/8000番には、CI4+ハンドルノブを、

10000/14000番には、ライトウェイト中空オーバルラウンドノブを採用しています。

見た目はやはりCI4+ノブみたいなタイプがカッコいいですね。




「21 ツインパワーSW」を比較

「21 ツインパワーSW」を以下のリールと比較してみました。

・前モデル「15 ツインパワーSW」
・下位モデル「20 ストラディックSW」
・上位モデル「19 ステラSW」
・ライバル ダイワ「21 セルテートSW」

ざっくりスペックや採用技術をまとめてみました。

比較 20 ストラディックSW 21 ツインパワーSW 19 ステラSW
ボディ材質 ハイブリッドボディ

(アルミ/高強度樹脂)

ハイブリッドボディ

(アルミ/高強度樹脂)

フルアルミボディ
ローター材質 高強度樹脂 アルミ(Xリジット) アルミ(Xリジット)
HAGANEギア
インフィニティドライブ
サイレントドライブ
AR-Cスプール
バリアコートスプールリング
DLCラインローラー
ヒートシンクドラグ
Xタフドラグ
リジットサポートドラグ
Xプロテクト
Xシールド
摺動方式 S字カム方式※ クロスギア方式 クロスギア方式
ラインナップ 4000~10000 4000~14000 4000~30000
本体価格 32,000円~37,900円 52,900円~72,300円 92,000円~146,100円

※4000番は汎用#4000ボディ採用のためクロスギア方式

前モデル「15 ツインパワーSW」からの進化点

まずは前モデル「15 ツインパワーSW」からの進化点。

ボディやらの形状が変わった他に以下のテクノロジーが追加されました。

・インフィニティドライブ
・サイレントドライブ
・ヒートシンクドラグ

自重は下がっているものもあれば上がっている番手もあり、中でも8000番は20グラム軽くなっています。

価格は全番手で2千円値上げ。

下位モデル「20 ストラディックSW」との違い

下位モデル「20 ストラディックSW」との違いは、表の通り・・・

・ヒートシンクドラグ
・Xタフドラグ
・リジットサポートドラグ
・駆動方式

ストラディックSWはドラグ関連の技術が抜けており、ラインナップも10000番までしかなく、あまり対・大物は想定されていません。

また、スプールを上下動かす仕組み、摺動(オシレート)方式が異なり、ステラSWやツインパワーSWはシマノ定番のクロスギア方式ですが、ストラディックSWはS字カム方式となっています。

ちなみにストラディックSWの前身である「バイオマスターSW」も13年モデルはクロスギア方式でしたが、16年に追加された6000番はS字カム方式となっています。

上位モデルとの差別化、部品点数が少なくなることによるコストカットが目的?

ツインパワーSWとの価格差は定価で4000番で20,900円、5000/6000番で29,000円、8000/10000版で34,400円差。

スペック、価格からツインパワーSWとストラディックSWでかなりの差があることが分かります。

上位モデル「19 ステラSW」との違い

最上位モデル「19 ステラSW」との大きな違いは、ボディがフルメタルかどうか

採用技術的なところは、

・バリアコートスプールリング
・DLCラインローラー
・Xリジッドねじ込み(ハンドル)

カタログスペックだけみると、価格差(4万円半ば)ほどのスペック差にはみえません。

が、そこは最上位モデル。

カタログに載っていないような細かなところ、部品精度など妥協なく仕上がっていることでしょう。

ラインナップもツインパワーSWにはない大型サイズの18000/20000/30000番があり、大型を狙うならこれ一択となります。

ダイワ「21 セルテートSW」と比較

最後にライバルであるダイワの「21 セルテートSW」。

リールの構成はこちら。

比較 ツインパワーSW セルテートSW
ボディタイプ ハイブリッドボディ モノコックボディ
ボディ材質 アルミ/高強度樹脂 アルミ
ローター材質 アルミ ZAION
ギア材質 超々ジュラルミン G1ジュラルミン

採用技術は比較しようがないので、各番手の重量と価格をまとめてみました。

番手 21 ツインパワーSW ボディサイズ 21 セルテートSW
自重 価格 自重 価格
4000 350g 52,900円 シマノ:#5000※
5000 415g 61,500円
6000 420g 61,500円
8000 615g 72,300円 シマノ:#10000

ダイワ:中

615/625g 73,800円
10000 655g 72,300円 620/630g 73,800円
14000 660g 72,300円 635g 73,800円
18000 シマノ:#18000

ダイワ:大

850g 85,200円

重量は8000番が互角でその他が20グラムほどセルテートSWが軽量です。

ラインナップ面ではmツインパワーSWには6000番以下があり、セルテートSWは大型クラスの18000番があるのがポイントです。




無難としか言いようがないNEWツインパワーSW

モデルチェンジされたNEWツインパワーSW。

「ステラSW」の下位モデルとして、本当に無難としか言いようがありません。

カタログ写真ではデザイン(カラーリング)が安っぽく見えましたが、実物はそうでもない感じ。

ステラSWはとにかく高価、ストラSWではスペックに不満を覚える方にベストなリールでしょう。