カウンター史上最軽量となる、ダイワ 「20 ティエラ IC」。
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魅力的なスペックではありますが、用途を考えると剛性面に不安が…。
ライバル社のリールと比較して割高感もあり、あまり実用的なリールではないように思います。
最軽量のティエラIC 魅力的なスペックではありますが・・・
カウンター史上最軽量となる、ダイワ 「20 ティエラ IC」。
これまでICカウンターリールで最軽量だったシマノのバルケッタより軽いということで、魅力的なスペックではあります。
しかし、船釣り用となると気になる点が・・・
オフショアの釣りでZAIONの剛性は本当に十分と言えるのか
オフショア・船釣り用途となると、ネックとなるのがカーボン製樹脂のザイオンボディということ。
確かにZAIONは軽く、腐食に強いので海釣りに適した素材ではありますが、負荷の高いオフショア系の釣り全般には剛性が “十分” とは言えません。
せいぜい15号(約56g)程度のオモリ負荷でも、メタルボディとカーボン樹脂ボディとでは巻き上げ力の差は歴然。
カーボン樹脂ボディのリールでも問題なく釣りはできますが、両者を巻き比べると明らかにメタルボディのリールの方がスムーズかつ安定した巻き上げが可能です。
ライバル社のリールと比較すると割高感が…
これは新製品ということで仕方のないことだとは思いますが、ライバル社のリールと比較すると割高感は否めません。
同じ軽さを重視したモデルで定番のシマノ 「18 バルケッタ」は、重量こそ「ティエラIC」に劣るものの、価格は実売1万円後半と2万円を切るお手頃価格。
25グラム差で主要なカウンター機能はほぼ同等、ドラグ音もあります。
どちらを選ぶかは人それぞれだとは思いますが、用途を考慮して自分なら安い方を選ぶかなと。
また、価格で比較すると、「ティエラIC」と近い価格帯で「炎月 プレミアム」と「バルケッタ プレミアム」がありますが、どちらもメタルボディで定価42,500円。
あちらはフォールレバーというものがついていてややゴツく、重量もそれなりにありますが、プレミアムというだけはある価格相応なリールです。
対して「ティエラIC」は、端的に言って “ただ軽いだけ” という…。
せめてキャタリナICのように遠心ブレーキをつけて、ちょい投げ程度のキャスティングにも対応させた方が良かったのでは…。
デプス(水深)アラームは必要なのか
新たに追加された新機能のデプスアラームもそこまで魅力的な機能とは思えません。
音で判断するより、カウンターを見た方が分かりやすく楽でしょう。
(そのための夜でも見えるバックライトですし)
アラームの類はウルサイと感じる人も多く、自分もどちらかといえば要らない派。
船べりアラームにしろ、ピーピーうるさいんですよね…。
発電機の音が大きな船ならまだしも、バッテリーで電気をとっていて静寂なボートでは地味に煩いんです。
ちなみにダイワは船べりアラームをオフにできるのが地味にポイントで、シマノはオフにできません。
軽さ or パワー? 適材適所のリール選び
軽さを取るか、スムーズな巻き上げ力を取るかは人それぞれですが、一つの目安として、
・水深が浅い、使用するオモリ負荷が10号(約38g)以下・・・ZAION製ボディの「ティエラIC」
・水深が深い、使用するオモリ負荷が15ないし20号(約75g)以上・・・アルミボディの「キャタリナIC」、「紅牙IC」
が適しているかと思います。
イカメタルは地域によって使用するオモリの重さがはっきりと分かれるため、単純にイカメタルにオススメとは言えません。
剛性面で言ってもタイラバ向きでもなく、どちらかと言えば近年流行しているバチコンアジング向けなリールと言えるでしょう。
個人的な感想として、ダイワにありがちな
技術(最軽量)は凄いのだけれど、本当にそれ必要か?
っていうリール。
手頃な価格帯に収めるならまだしも、ハイエンドクラスにカーボン樹脂ボディを持ってくるのはよろしくないかと。
参考までに、自分は山陰地方のイカメタルゲームにおいて、カーボン樹脂ボディの18バルケッタと、メタルボディのキャタリナICを使っていますが、メーカーの贔屓目なしでキャタリナICの方が使いやすいと感じています。
感度が重要視されるイカメタルゲームですが、軽さによるメリットは言われているほど感じません。
ロッドのリアグリップを小脇に挟むか肘に当てて保持することが多いため、せいぜい2,30グラム程度の重量差はあまり気にならず、それよりも楽に巻き上げられることの方が遥かに負担が小さく長時間釣りをしていても楽です。