DCブレーキに興味が湧き、いろいろと調べ、各リールのスペックを比較してみました。

実売価格も調べてみたので、予算・用途に応じたリール選択の参考にしてみてください。



DCブレーキ搭載リールのスペックを比較

2020年現在、日本国内で販売されている現行のDCブレーキ搭載リールは以下の8機種。



・16 アンタレスDC

・18 アンタレスDC MD

・15 メタニウムDC

・17 スコーピオンDC

・20 SLX DC

・17 エクスセンスDC

・20 エクスセンスDC SS

・19-20※ カルカッタコンクエストDC

※2019年に200番発売、20年に100番追加



これらのスペックを比較してみました。

ボディ周りを中心に基本スペック、価格を比較

まずは基本となるボディの仕様・スペックと定価・実売価格を比較。

モデル名 ボディタイプ ギア比 自重 最大ドラグ力 メインフレーム材質 ギア材質 BB数 本体価格 実売価格※2
16 アンタレスDC ロープロファイル 5.6/7.4 220g 5.0kg マグネシウム合金 超高強度真鍮 10/1 76,000円 66,860円
18 アンタレスDC MD ロープロファイル 7.8 235g 6.0kg マグネシウム合金 超高強度真鍮 10/1 76,000円 66,860円
15 メタニウムDC ロープロファイル 6.2/7.4/8.5 190-195g 5.0kg マグネシウム合金 超々ジュラルミン 9/1 57,800円 48,320円
17 スコーピオンDC ロープロファイル 6.3/7.2 215g 5.5kg アルミニウム合金 超高強度真鍮 7/1 37,500円 28,875円
20 SLX DC ロープロファイル 6.3/7.2/8.2 210g 5.0-5.5kg アルミニウム合金 超高強度真鍮 6/1 27,500円 21,175円
17 エクスセンスDC ロープロファイル 7.8 225g 4.5kg マグネシウム合金 超高強度真鍮 10/1 74,000円 65,120円
20 エクスセンスDC SS ロープロファイル 7.4/8.5 220-225g 5.0kg アルミニウム合金 超高強度真鍮 6/1 39,500円 30,415円
19※1 カルカッタコンクエストDC 丸型 100番:5.6/6.8

200番:4.8/6.2

100番:240g

200番:260-265g

100番:4.0kg

200番:6.0kg

アルミニウム合金 超高強度真鍮 12/1 100番:67,000円

200番:69,000円

100番:58,960円

200番:60,720円

※1:100番、200HGは2020年追加モデル
※2:大手通販サイト調べ(あくまで参考価格)

【キャスタビリティ】 スプール・ブレーキシステムの比較

次に飛距離やキャスタビリティに関するスペックの比較。

モデル名 スプール径 スプール材質 ラインキャパ※3 ブレーキタイプ
16 アンタレスDC φ37mm MGL 超々ジュラルミン 16lb-100m 4×8DC
18 アンタレスDC MD φ38mm 超々ジュラルミン 20lb-100m 4×8DC MDチューン
15 メタニウムDC φ34mm 超々ジュラルミン 14lb-100m I-DC5
17 スコーピオンDC φ34mm 超々ジュラルミン 14lb-100m I-DC5
20 SLX DC φ34mm アルミニウム合金 12lb-100m I-DC4(NEW)
17 エクスセンスDC φ37mm 超々ジュラルミン 2号-150m 4×8DC エクスセンスチューン
20 エクスセンスDC SS φ34mm アルミニウム合金 2号-180m I-DC4 エクスセンスチューン
19 カルカッタコンクエストDC 100番:φ33mm

200番:φ38mm

MGL 超々ジュラルミン 100番:12lb-100m

200番:20lb-100m

I-DC5

※3 lb表記はナイロン、号数表記はPE

各DCブレーキの特徴 [4×8DC] [I-DC5] [I-DC4]

DCブレーキの仕組みについてはこちらの動画を見てもらうのが分かりやすいと思います。

仕組みが分かったところで次は各システムの違い。

現行のDCブレーキシステムはざっくり分けると以下の3つになります。



4×8DC・・・内部の4モードに8段階の外部ダイヤルで調整

I-DC5・・・内部の3モードに5段階の外部ダイヤルで調整

I-DC4・・・シンプルな4段階の外部ダイヤルで調整



基本的に上のものほど細かな調整が可能で上位互換の関係。

内部というのはサイドカバーを開いて調整する必要があります。

ブレーキシステム 特徴
4×8 DC FL(フロロ)、P(PE)、NM(ナイロン)のライン別3モード、遠投に特化したX(エクストリームロングキャスト)の計4モード(内部ダイヤル)に8段階の外部ダイヤルで調整。
4×8 DC MDチューン F、P、NMのライン別3モード、ジグやベッグベイトなどのヘビー級ルアーに対応するXBの計4モード(内部ダイヤル)に細かな8段階の外部ダイヤルで調整。
4×8 DC エクスセンスチューン XP(PE追風遠投)、P(PE)、N(ナイロン)、F(フロロ)の4モード(内部ダイヤル)に8段階の外部ダイヤルで調整。
I-DC5 ナイロン、フロロ、PEのライン別3モードの内部ダイヤルに5段階の外部ダイヤルで調整。
I-DC4 4段階のダイヤルで幅広いルアーに対応。(一番古いシステムですが近年調整が加わりバージョンアップ)
I-DC4 エクスセンスチューン PEに特化した1~3、F(フロロ)の4段階のダイヤル調整で幅広いルアーに対応。

【技術特性】 各種搭載機能を比較

最後に採用されている技術特性の違いを比較。

モデル名 X-SHIP マイクロモジュールギア ドラグサウンド サイレントチューン ナロースプール 淡水専用
16 アンタレスDC
18 アンタレスDC MD
15 メタニウムDC
17 スコーピオンDC
20 SLX DC
17 エクスセンスDC
20 エクスセンスDC SS
19 カルカッタコンクエストDC

・見て分かる通り、一番安価な「SLX DC」は、DCブレーキを搭載しているという以外、これといった機能を持ち合わせていません。

特に決まった用途があるわけでもなく、とりあえずDCブレーキを試してみたいという方向けのリールといった感じ。

・ドラグ動作時に音の出るエキサイティングドラグサウンドを採用しているのは、エクスセンスシリーズ、カルコンDCのみ。

・「16アンタレスDC」は淡水専用となっており、ソルト使用は避けた方が懸命でしょう。
(もちろん釣行毎に適切なメンテナンスを施せば使用可)

高いものが良いに越したことがない

こうして比較してみると、特にDCブレーキを搭載したリールは高価なものが良いに越したことがないのだと感じました。

「アンタレスDC MD」が一番人気があるのも頷けます。

全体的にスプール径の大きなものが多く、軽いルアーにはあまり向いていないようです。
(下限で7グラム程度が目安か)

それなりの重量があるものをノーサミングで快適にキャストするならどれでも、それプラス遠投性能も求めるなら実質上位の4×8DCを搭載したリール一択といった感じでしょうか。

とにかく安くDCブレーキを使ってみたいとなると「SLX DC」ですが、中間機種が悩ましいですね。