「アルファスSV TW」に続いて、フルモデルチェンジされたNEW ZILLION「21 ジリオン SV TW」をチェック。
次世代ベイトリールのNEWコンセプト「ハイパードライブデザイン」を基に大幅性能アップ。
フルメタルボディ化しつつ、前モデルから20グラムもの軽量化を実現。
バーサタイルリールの定番となったSVスプールも「SV BOOST」に進化しています。
DAIWA 21 ZILLION SV TW 特徴とスペック
次世代両軸ベイトリール HYPER DRIVEデザイン採用 タフバーサタイルリールの真打登場
HYPERDRIVEデザインによる高い基本性能が永く続くことを目指し、全ての基本性能の水準を大幅に高めた設計思想の次世代ベイトリールが登場。
HYPERDRIVE DIGIGEAR搭載で、強く滑らかな回転を実現し、HYPER ARMED HOUSING(FULL AL)でコンパクトながら、強靭なボディ剛性を実現。
タフバーサタイルリールの大本命といえるジリオンシリーズの真打ちともいえる存在。
キャストアキュラシーもスプールφ34mmSVBOOSTスプールを搭載し、軽量ルアーから重量級ルアーまでの幅広いルアーウエイトに対応することは勿論新たなBOOST機構により、より飛距離向上といったキャスト性能の向上まで図られている。
発売日は2020年12月ですが、前例に習い21年モデルという表記としています。
【高剛性】 フルメタルハウジングボディ
前モデルではメインフレームこそスーパーメタル(アルミ)でしたが、両サイドは高強度樹脂でした。
この「NEWジリオンSV TW」では、メインフレームだけでなく、ギア側サイドプレート、セットプレートもメタル化。
近年主流となりつつあるフルメタルボディのリールに進化しました。
単純な耐久性アップだけでなく、高剛性による撓みのない滑らかな巻き心地を実現。
ボディの剛性アップはキャストフィールにも影響を与えているように思います。
カラーリングは同時期発売となる「21 アルファスSV TW」と同じくシルバー一色。
塗装っぽいシルバーなのか、アルミの地を活かしたシルバーなのか、実物が楽しみですね。
【φ34mm】新型 SVブーストスプール
爽快なキャストフィールとトラブルレス性を高次元で両立し、飛距離アップを果たした次世代SVコンセプト。 従来、1段階の作動だったインダクトローターのストロークを伸ばし、2段階目のストロークを実現。低回転時には1段階目のストロークのみで適度なブレーキを効かせ、フルキャスト時には2段階をフルに活かした最適なブレーキ後に、1段階戻ることで弾道後半は弱いブレーキ力をキープ、結果、キャスト後半の伸びを得られ、飛距離アップに貢献した。
スプール径は前モデルと変わらずφ34mmのSVスプールを搭載。
今やバーサタイルリールの定番となったSVスプールがインダクトローターのストロークが2段階となった「SV BOOST」という新型に進化しました。
はっきりと記載されていませんが、スプール材質はG1ジュラルミン製でしょう。
更にこちらも確定ではありませんが、従来のφ34mmスプールと互換性があり、これまでのスプールも流用できるようです。
90mmハンドルにUTDを採用
ハンドルはギア比に関わらず90mmのアルミ製クランクハンドルを採用。
ドラグはこれまでのジリオンシリーズから変わらず「UTD(アルティメットトーナメントドラグ)」です。
スタードラグは今や定番となったZAION製のロングアームスタードラグ。
メカニカルブレーキ操作を不要とする「ゼロアジャスター」ももちろん採用しています。
【ラインナップ】 4種のギア比(P、無印、H、XH)の計8機種
ラインナップは、4種のギア比(P:パワーギア、無印:ノーマルギア、H:ハイギア、XH:エクストラハイギア)に左右ハンドルで計8機種。
品名 | ギア比 | 巻取り長さ | 自重 | 最大ドラグ力 | 標準巻糸量 | スプール径 | ハンドル長さ | ベアリング | 本体価格 |
1000P/1000PL | 5.5 | 59cm | 175g | 5.0kg | 14lb/45-90m、16lb/40-80m | φ34mm | 90mm | 8/1 | 42,800円 |
1000/1000L | 6.3 | 67cm | 175g | 5.0kg | 14lb/45-90m、16lb/40-80m | φ34mm | 90mm | 8/1 | 42,800円 |
1000H/1000HL | 7.1 | 76cm | 175g | 5.0kg | 14lb/45-90m、16lb/40-80m | φ34mm | 90mm | 8/1 | 42,800円 |
1000XHL/1000XHL | 8.5 | 90cm | 175g | 5.0kg | 14lb/45-90m、16lb/40-80m | φ34mm | 90mm | 8/1 | 42,800円 |
次世代両軸ベイトリールテクノロジー HYPERDRIVEデザイン
「アルファスSV TW」、この「ジリオンSV TW」、「スティーズ LTD SV TW」などと合わせて新規採用された次世代ベイトリールのNEWコンセプト。
初期性能が長く続くことを目指した設計思想
『HYPERDRIVE DESIGN』
強く、軽く、滑らかに。
DAIWA両軸リールの真・未来基準
スピニングリールの「LTコンセプト」に続き、ベイトリールにもNEWコンセプトが登場しました。
要となっている駆動系と耐久系の4要素をチェックしていきます。
ハイパードライブデジギア
■HYPERDRIVE DIGIGEAR
強く滑らかな回転が持続し続けることを追求したベイト(両軸)リールにおける新設計のギアシステム。 耐久性に直結するギアの歯のモジュール(大きさ)は小さくせず噛合い率アップを達成し、 初期の滑らかさが長く続くことを実現させたDAIWA独自のテクノロジー。
これが事実上の新規技術でしょうか。
材質や製法が大きく変わったのではなく、ギアの精度・噛合い率が向上しているようです。
スピニングリールでいうところの「デジギアⅡ」→「タフデジギア」みたいなもので、 “ちょっとしたアップグレード” くらいなものと思われます。
ハイパーダブルサポート
■HYPER DOUBLE SUPPORT
滑らかさの持続と、巻きの強さ・軽さを実現した駆動サポートシステム。ピニオンギアの両端を2つのボールベアリングで高精度に支持することで、ハンドルからの入力を減衰せず、負荷が掛かった時でも力強く、軽く巻上げることを可能にした。
シマノでいうところの「X-SHIP」。
ダイワのスピードシャフト(シャフトレス)モデルは昔からこの仕様・構造を採用しています。
特に新規機構というわけではありません。
ハイパーアームドハウジング(アルミ)
■HYPER ARMED HOUSING (AL)
内部構造を高剛性、高精度でしっかりと支え、精緻な巻き心地とパワーを生む筐体システム。要であるフレームに金属素材を用いることが必要条件で、サイドプレートやセットプレートとの組合せにより、基本性能をさらに長く発揮し続けることを可能にする。本シリーズでは、フレーム、ギア側サイドプレート、ダイヤル側セットプレートにアルミニウム合金を採用。堅牢無比な強度を実現したフルメタルハウジング仕様となっている。
これも特に新規ではなく、フルメタルハウジング(オール金属製)ボディをこう呼称することにしたのでしょう。
ハイパータフクラッチ
■HYPER TOUGH CLUTCH
何千回、何万回でも摺動し続けるメリハリのきいたオン・オフ性能だけでなく、塩分濃度の高い海水域でも極めてトラブルの少ないクラッチシステム。 過酷なソルトシーンにおける固着修理件数を、当社比で既に99%削減する実績をもたらした、最先端の絶縁構造を誇る。
これは「T3」あたりから新規採用されるようになった「ソルトバリアタフクラッチ」のことかと思われます。
(もちろん何かしら改良されているはず)
海水使用時の絶縁云々もありますが、従来のダイワ製ベイトリールのクラッチから耐久性が大幅に向上しました。
以前のものはクラッチが軽く押しやすいものの、半クラになりやすかったり、船釣りでクラッチを頻繁にON/OFFする使い方ではすぐにダメになることが多くありました。
ジリオンシリーズ(φ34mm)を比較
34mm径のジリオンシリーズとスペックを比較してみました。
ジリオン(φ34mm)比較 | 16 ジリオン SV TW | 20 ジリオン 10.0 SV TW | 21 ジリオン SV TW |
ボディ | メインフレーム:アルミ
ギア側サイドプレート:高強度樹脂 セットプレート:高強度樹脂 |
スーパーメタルハウジング
(各部アルミ製) |
スーパーメタルハウジング
(各部アルミ製) |
自重 | 195g(XXH:200g) | 215g | 175g |
最大ドラグ力 | 5.0kg | 4.5kg | 5.0kg |
最長巻取り長さ | 97cm(XXH:9.1) | 106cm(10.0) | 90cm(XH:8.5) |
ソルト対応 | ○ | – | ○ |
価格 | 38,900円 | 43,000円 | 42,800円 |
ボディのフルメタル化を成し遂げながら前モデル「16 ジリオンSV TW」から20グラムの軽量化を実現。
軽量化に伴い、ボディもよりコンパクトになっていることでしょう。
最大巻上げ長は3モデルの中で最も低い数値となります。
とにかく回収スピードの早さを求めるなら「ジリオン 10.0 SV TW」一択なのは変わりません。
(淡水専用でソルト使用は推奨できませんが)
およそ隙のないバーサタイルタフリール
実釣において特に不満なく、バーサタイルリールとして優秀だった「16 ジリオンSV TW」。
そろそろモデルチェンジの頃合いで上位機種との兼ね合いからせいぜいボディがフルメタル化する程度だろうと思っていました。
(これだけでも十分なわけですが)
フルメタル化しながらも更なる軽量&コンパクト化を実現し、その上SVスプールも「SV BOOST」へ進化。
スタンダードなφ34mmでバーサタイルなタフリールとして申し分のないものとなっています。
個人的にシルバーのフルメタルなベイトリールが欲しいと思っていてシマノの「バンタムMGL」に惹かれていましたが、手持ちのスプールを活用できる、慣れたマグネットブレーキということでこのNEWジリオンに決まりです。
発売は2020年12月予定。
コロナの影響なのか、初回出荷分を買い逃すと次がなかなかこない事例が多く発生しています。
すぐにでも欲しい方はご予約を忘れずに。