ひょんなことから手にした、ダイワ ベイトフィネスリールの最高峰 『T3 エア』。
■ダイワ T3 AIR 8.6R-TW
2012年に発売されたベイトフィネスリールのフラッグシップ機。
ベイトフィネスリールとしての性能をとことん突き詰めたチューニングモデルです。
見ての通り右ハンドル、自分のものではありません。
一時的にお借りしているものなので実釣インプレなどはできませんが、
例の如く、スプール重量など、ファースト・インプレッションといきます。
<スペック>
標準自重:160g
巻取り長さ:86cm
ギア比:8.6
最大ドラグ力:5.0kg
標準糸巻量:フロロ 8lb-50m
スプール径:32mm
ベアリング数(ボール/ローラー):11/1
メーカー希望本体価格:58,000円
備考:淡水専用
ギヤ比:6.8のモデルもあります。
メーカー製品ページはこちら
<外箱>
リール本体の前に、豪華な箱から。
さすがはフラッグシップモデル、箱からして他と違います。
▼一般的な箱と比較
左はダイワ製ベイトリールに広く使われている白い外箱。
T3 エアのものはそれよりより一回り大きく、
通常、折り曲げられて入っている取説類が真っ直ぐな状態で入る大きさです。
▼保証書在中
通常、リールには保証書というものは付きません。
保証書が付いているのは、電子機器の入ったシマノのDCブレーキ搭載リールや、電動リールなど。
T3 エアはその特性故か、保証書が付きます。
保証期間は1年、免責額は1ヶ所1回限り6,000円とのこと。
おそらく、極限まで軽量化されたスプールに考慮してのことでしょう。
▼K.T.F.開発協力
ベイトフィネスの先駆け、
沢村幸弘さんのK.T.F. – キャリル・チューンド・ファクトリーとの共同開発で生まれました。
釣りビジョンの番組、「D:z WORKS」でも取り上げられていましたね。
<付属品>
・取扱説明書
・展開図
・パーツリスト
・製品特性上の注意
・専用リール袋
・スタンドカバー
・保証書※
※今回は中古での購入のため、保証書はありません。
<外観>
それでは、リール本体の外観から。
初代T3のシルバーから一変、ブラック基調にレッドのアクセント、
ダイワが近年よく採用している配色です。
上から
下から
ブラックを基調としていると書きましたが、ボディは丸々レッド。
下から見るとよく分かります。
生産国は、もちろんMADE IN JAPAN 日本製です。
正面から
一体型のクラッチレバー(通称パカパカ)の前部には、
ノーマルのT3にはなかった肉抜き穴が設けられています。
(ここをラインが通るわけではありません)
▼TWS – Tウィングシステム
T3の最大の特徴、「TWS – Tウィングシステム」。
コシの強いフロロラインでは効果が実感できましたが、
それ以外はある程度ルアーの重量でラインが引っ張られるので、
思ったよりは・・・な印象でした。
このBF機で投げるルアーのウェイトは軽量なものが想定されています。
少しでもライン抵抗を抑えることができれば効果が期待できるはず。
▼サイドプレート
こちらにもノーマルにはなかった肉抜きが。
ちょっとかっこいい。
▼メカニカルブレーキ
メカニカルブレーキノブは、T3 ユーザーズプロジェクトで入手できた※
「ダブルアルマイトメカニカルブレーキノブ」と同じもの。
クリック音ありです。
※現在はスポーツライフプラネッツからも販売されています。
▼80mmクランクハンドル
80ミリのクランクハンドル。
こちらはノーマルと共通?
ハンドルシャフトが赤いのが唯一の違いか。
ハンドルノブは「Iシェイプ ザイオンノブ」を採用しています。
感度がーとか言われていますが、
水に濡れるとグリップが効かず、その上標準的なコルクノブより軽い訳でもありません。
これといって長所のない、見た目だけのハンドルノブという印象です。
渓流ベイトに使おうと考えている方は交換した方が無難です。
▼ZAIONスタードラグ
ワンハンドフリップ可能なロングアームのスタードラグ。
クリック音あり。
ザイオンノブは微妙ですが、こちらは良いものです。
▼マグフォース3D
エアブレーキ、オールラウンド、マックスブレーキと、
3段階のモードをレバー1つで簡単に変えることができます。
その他、写真などはありませんが、
軽量・高強度の「ハイブリッドハイパーギヤ」を採用しています。
そして、ベイトフィネスリールの要、
▼G1ジュラルミン製エアスプール Φ32mm
軽量ルアーのキャストに欠かせない、軽量なスプール。
ベースとなったT3のスプール径はΦ34ミリですが、このAIRモデルはΦ32ミリとなっています。
BFリールに最適なスプール径はΦ32ミリというのがダイワの出した答えなのでしょう。
従来のピクシーシリーズはΦ31ミリでした。
Φ34からΦ32への隙間は、リングのようなものが嵌められ、隙間を埋めています。
サイドプレート内のベアリングには、後述のマイクロBBを内蔵。
▼マイクロボールベアリングシステム(MBS)
スプールを支えるベアリングは、
ダイワがパテントを所有している「マイクロボールベアリング」を採用。
小口径のベアリングを内蔵することにより、より低い抵抗でも滑らかに回転します。
ダイワのパテントということですが、今では大半のBFリールに標準装備されています。
▼エアブレーキシステム
これまでダイワの軽量ルアー向けスプールといえば、
固定されたインダクトローター(=固定マグ)が採用されていましたが、
AIRでは初の可変式インダクトローターを採用。
フルキャスト時にはブレーキが効き、
固定マグが苦手としていたピッチングなどの低回転時には、
インダクトローターが飛び出さずにスムーズなスプール回転を実現します。
<各部重量>
▼本体重量
自重:約165g
あれ? 標準自重は160グラムのはずでは…? ^^;
▼サイドプレート重量
自重:約23g
現在手元にないため、ノーマルT3との比較はできません。
肉抜きされている分、少しは軽いのでしょう。
その他、ZAIONスタードラグは6.0グラムです。
そして一番知りたいスプール重量はというと・・・
▼スプール重量(BB込み)
自重:9.2g
▼スプール重量(BBなし)
自重:6.8g
当時、ダイワで最軽量だったPX68 ピクシー用のFSS(フィネススペシャルスプール)が
8.8グラムなので、2グラムも軽量化されています。
<ファースト・インプレッション>
基本的には、T3に以下の改造を施したモデルです。
・軽量スプールの搭載
・スプール径の変更 Φ34→Φ32ミリへ
・リール本体の軽量化(肉抜き)
・ZAION製パーツ(スタードラグ、ノブ)の採用
ベースとなったT3のインプレは以下を参照のこと。
関連記事:「ダイワ T3 1016SHL-TW インプレ」
個人的にベースとなったT3自体にまったく良いイメージを持っていませんが、
この「T3 AIR」は完全な別物なようです。
ネット上での評価は概ね好評で、軽量ルアーのキャスト性能はピカイチとのこと。
さすがはお高いだけのことはありますね。
発売から今年で4年、今となっては古い気がしますが、
これ以降のBFリールは廉価版(SS AIR、アルファス AIR)を出しているだけなので、
現在でもダイワ ベイトフィネスリールの最高峰であることに変わりありません。
廉価モデルとの最大の違いは、「TWS」と「マグフォース3D」の有無。
「T3 AIR」はこの2つの機能を備えた唯一のモデルです。
特に「TWS」の軽量ルアーキャストへの効果は期待できそうです。
キャストするだけなら慣れない右ハンドルでも何とかなるかもしれませんね。
「T3 AIR」を超えるリールの発表はおそらく来年になると予想されます。
(ベースはスティーズTWか、頑張ってNEWピクシーを新規で造るのか)
今更新品を購入するのはさすがに勿体ないので、状態の良い中古品を狙ってみるのが得策です。
この「T3 AIR」は右ハンドルということもあってか、3万円ほどで購入できたようです。
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