渓流ベイトフィネス考察 第三弾

渓流ベイトフィネスに最適なタックルについて。

今回はリールについてです。



<2017年4月 – 記事修正・追記>

新製品に対応するべく、一部記事を修正・追記しました。



■ 手持ちの軽量キャスト対応ベイトリール

まずはこれまで使ったリールの紹介から。
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5台ある中、吊るし(ノーマル)の状態で使えるのはアルファスSVくらい。
(PX68もノーマルで使えなくはないですが、とても快適とはいえないでしょう)

他はオプションのカスタムスプールを装着して使用します。

・ダイワ アルファスSV 105SHL
そのままか、Megabass ZONDA スプールを装着して使用。

・ダイワ アルファス R-Edition 103L
Megabass ZONDA スプールを装着して使用。

・ダイワ PX68L リベルトピクシー
アイズファクトリー フィネススペシャルスプールを装着して使用。

・ダイワ T3 1016SHL-TW
アイズファクトリー フィネススペシャルスプールを装着して使用。

・シマノ 09 アルデバランMg7
夢屋 BFSスプール Mg 32mmを装着して使用。



これらを一通り使ってみて、現在はゾンダスプールを入れたアルファスに落ち着いています。



■ 渓流ベイトフィネスに最適なリール

渓流で使用されるルアーのウェイトは2g~7gくらい。

中でも一番多用するのは3~5gの間でしょう。

通常のベイトリールではこの重さのルアーは投げることができません。
(中には投げられるという方もいらっしゃいますが快適とは程遠いはず)

これら軽量ルアーのキャストを可能にするのが、軽いルアーのキャストに特化させたフィネススプールです。



■軽量なベイトフィネススプール
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軽量キャストの要は何といっても軽いスプール。

軽いルアーをキャストするのにスプールが軽くなくては話になりません。

具体的な数値を挙げるとスプール単体で最低でも12グラム以下、できれば10グラム以下は欲しいところ。

基本的にスプールは軽ければ軽いほど軽いルアーが扱え、キャストが快適に行えます。



また、重さほどではありませんがスプール径も関係しており、こちらも基本的に小さい方が有利で、Φ34mm以下であれば特に問題ありません。



軽量スプールで押さえておきたいのがこちらのメーカーさん。

■Avail
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メーカーHPはこちら

リールのカスタムパーツを製造、販売しているメーカーです。

手持ちがダイワリールばかりの関係で所有してはいませんが、軽量スプールでは名実ともに優れたメーカーであることに間違いはありません。

渓流ベイトに限らず、ベイトで軽量ルアーを使用するアングラーの多くがAvailスプールを使っているようです。

別途スプールを用意する場合、このメーカーさんのお世話になることでしょう。



ベイトリール選びのポイント

一番重要なのはスプール、ここさえ押さえておけば8割方OKです。



次はベイトリール”本体”の選ぶポイントについて。

<形状>

ベイトリールの形状には「ロープロ(ロープロファイル)型」と「丸型」の2種類があります。

それぞれの特徴は以下の通り。

■ロープロ型

重心が低くなるように設計されたタイプ。

コンパクトなモデルが多く、軽量で手の小さな方でも握りやすくなっています。

設計の自由度も高いので現在はこちらが主流です。

ちなみに上の写真のリールはすべてロープロ型です。



■丸型

金属製の筒型ボディが特徴。

このタイプはロープロ型に比べて剛性が高く、巻上げ力に優れています。

反面、全体的に重くなりがちでボディも大きく手の小さな方には不向きです。

金属製のため、冬場はボディが冷たいといったデメリットも。

また、大口径ギアを入れるスペースがないため、ハイギアモデルがほとんどありません。

ちなみにオールドリールのほとんどがこのタイプです。



渓流では剛性や巻上げ力といったパワー面は必要ありませんので、性能のロープロ型、見た目の丸型といったところです。



<ブレーキシステム>

ライントラブル(バックラッシュ)を防ぐブレーキシステム。

「メカニカルブレーキ」 + 「マグネットブレーキ or 遠心ブレーキ」の2つのブレーキでバックラッシュを防ぎます。

メカニカルブレーキはスプールの締め込み具合を調整する機構。

遠心とマグネットブレーキの特徴は以下の通り。



■遠心ブレーキ
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遠心力を用いたブレーキシステム。

スプールの回転数に応じてブレーキが掛かるため、軽量ルアーのキャストではあまりブレーキ力が得られません。

そのため、特に軽いものでも投げやすい傾向にはありますが、ブレーキがあまり効いていないのでトラブルは多くなりがちです。

最後の伸びが得られるため、よく飛び、キャストフィールも気持ちいいです。

このタイプはブレーキを調整するのにサイドカバーを開ける必要があり、ブレーキ調整が面倒で調整幅も狭いです。
(最近のモデルはカバーを開けなくても外部から調整できるようになりました)

また、ブレーキの摩擦面が水で濡れてしまうとブレーキ力が変化してしまいます。



■マグネットブレーキ
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磁力を用いたブレーキシステム。

常にブレーキが掛かるので強すぎるとあまり飛びません。

その分、ライントラブルは起こりにくいので初心者でも扱いやすいです。

外部からダイヤルで簡単に調整できるため、幅広いウェイトのルアーへの素早い対応が可能です。

また、浸水してもブレーキ力にほとんど影響しません。



遠心とマグブレーキ、どちらが良いかと言われれば無難にマグブレーキをオススメします。

どちらも実際に使ってみましたが、遠心はピーキーな印象が強く、マグネットに比べてトラブルが多く発生しました。

渓流では遠投性の必要がほとんどないので、よりトラブルレスなマグネットブレーキの方がストレスなく釣りができます。

とはいえ、ベイトのキャストは”慣れ”の影響が大きいので遠心も悪くはありません。



<ギヤ比>

渓流ではスピニングと同じく、より糸巻き量の多いハイギヤの方が有利です。
(アップの釣りなら尚更)

詳細はライン編に書く予定ですが、軽量ルアーのキャストを目的とする場合、ラインは必要最低限しか巻きません。

そのため、カタログスペックよりハンドル一回転当たりの糸巻き量は低下します。

ギヤ比5.8などは低く、7前後がちょうど良いでしょう。

あまりにギヤ比が高過ぎる(8以上)と返って使いにくいこともあるので注意が必要です。



<ハンドルの向き>

最後にハンドル。

スピニングは左右ハンドルを入れ替えることができますが、ベイトリールはできません。

そのため、左右どちらかのハンドルにするべきなのか迷うところ。

ベイトの左右ハンドル論争は未だ絶えることがありませんが、ハッキリといっておきます。

右利きならレフトハンドル、左効きならライトハンドルを選びましょう。

ベイトではキャストとリーリングでロッドを持ち替えるのが基本とされていますが、渓流では面倒以外のなにものでもありません。

右利きの場合、右ハンドル(右巻き)に慣れているならまだしも、初めてベイトを扱うのなら無難に利き手とは反対のハンドルを選びましょう。



■ メーカー別 ベイトフィネスリール一覧

特に手を加える必要なく、購入時の状態でそのまま使えるBFリールを紹介します。

■ DAIWA

ダイワ製ベイトリールの場合、基本的に「AIR」の名を冠したBF専用機を選べばどれでも使えます。

該当機種は「アルファス AIR」、「SS AIR」、「T3 AIR」の3つ。

3グラム以上のルアーしかキャストしない場合は「SV」シリーズでも十分使えます。

その他、フィネス向けにチューンしたKTFの「アルファス フィネス、ネオ」などもあります。



■ SHIMANO

ベイトフィネスリールでは後れを取っていたシマノ。

2016年に新たなブレーキシステム「FTB-フィネスチューンブレーキ」を開発し、一気に形勢逆転しました。

これまでシマノの代名詞だった遠心ブレーキシステム「SVS」を廃し、可変マグネットブレーキを採用。

低回転でも安定したブレーキを掛けることができるようになりました。

ぶっちゃけ性能は一番良いです。(少なくとも本家マグネットブレーキのダイワよりも)



2016年に発売されたロープロ型の「アルデバランBFS XG」、2017年に丸型の「カルカッタコンクエストBFS HG」を新たに発売し、ロープロと丸型を選択できるようになりました。

更に廉価版の「スコーピオンBFS」も2017年5月に発売予定。

基本的なキャスト性能は同じようなので、好みの形状で選んで問題ありません。



■ abu

正直アブは興味がないのでよく知りません。。

「REVO LT」シリーズはコスパに優れていると評判です。



その他、別途スプールを用意することで非BF機でも軽量ルアーに対応させることができます。

そちらは上記の「Avail」などでカスタム可能なリールをご参照ください。



渓流ベイトを始めるにあたり、重視すべきポイント

渓流ベイトを始めるにあたって一番お金が掛か、重視すべきなのがリールです。

ここをケチると不便なだけなので他の予算を割いてでもリールに回しましょう。

オススメはシマノのFTB搭載リール。

現時点で一番高性能なブレーキシステムです。

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