渓流ベイトフィネス考察 第三弾
渓流ベイトフィネスに最適なタックルについて。
ロッド、リール、ライン、ルアーの4つに分けて紹介します。
<2017年4月 – 記事修正・追記>
新製品に対応するべく、一部記事を修正・追記しました。
■ 手持ちの渓流ベイトフィネスロッド
まずはロッドの紹介からですが、その前に現在自分が使っているロッドから。
すべて自作(または改造)ロッド。
市販の既成品でよかったんですが、作れそうだなってことで。(渓流初心者なのに)
上から
▼310ULB-G
4フィートの鱒レンジャーを2インチカットして作ったショートグラスロッド。
3フィート10インチ(約1m15cm)とかなりのショートロッドなので完全な源流向き。
ベースがベースなので半分ネタみたいなロッドです。
(これで尺クラスは厳しいでしょう)
▼46LB
今年作った源流用のショートロッド。
長さは丁度良いものの、ブランクがあまりにも安物過ぎてちょっとイマイチな一本。
▼54ULB
最初に作った渓流ベイトフィネスロッド。
渓流釣り経験もなしに初めて作った渓流用ロッドとはいえ、
基になったのは渓流用ルアーロッド ダイワ 「ファントムNT 54UL」。
支流のヤマメから源流のイワナまでカバーする一番使いやすいロッドです。
強いて言えばもう少し短い方がいいかも。
これらを使って大まかな理想型が見えてきました。
■ 渓流ベイトフィネスに最適なロッド
渓流ベイトロッドは取り回しの良さから”短め”がベスト。
具体的な長さでいうと、4フィート6インチから5フィート4インチの間。
スピニングロッドよりワンサイズ短いくらいが目安です。
5’6″のスピニングロッドで特に問題なかったところ、5’4″のベイトロッドでティップがあと少し短ければと思うことがよくありました。
サイド、アンダーキャストを多用するベイトでは、ロッドが長いとティップを叩きやすく、特に障害物の多い源流ではストレスに感じることがあります。
短いと岩を躱してルアーを引きにくかったり、しなり・タメがあまり得られず、キャストやファイトにやや不利な点もありますが、取り回しの良いショートロッドは非常に扱いやすく快適です。
開けたエリアでしか釣りをしないというならまだしも、源流での使用も想定するなら断然”短め”がオススメです。
■ 市販の渓流ベイトロッド
市販の渓流ベイトロッドは主に2014年から発売され、現在は大手メーカーのダイワ、シマノを始め、トラウトロッドを販売している各メーカーから続々と発売されています。
個人的に渓流ベイトの有用性は捨て難いものがありますが、所詮ブームのようなもので来年以降は新規であまり出ないでしょう。
出ても既存ラインナップが若干増える程度だと思われます。
2017年現在、予想以上に各社から発売されることとなりました。
渓流ベイトは単なるブームに終わらないようです。
市販されている渓流用のベイトロッドを調べてみました。
■市販の渓流ベイトロッド一覧
・ダイワ – ワイズストリーム、シルバークリーク、シルバークリークAGS
・シマノ – トラウトワンNS、カーディフNX
・アブガルシア – トラウティンマーキス
・メジャークラフト – ファインテール、トラウティーノ
・テイルウォーク – トラウティア
・パームス(アングラーズリパブリック) – エゲリア ネイティブパフォーマンス
・ジャクソン – カワセミラプソディ
・テンリュウ – レイズ
・スミス – Be Sticky Trout、マジカルトラウト ベイトフィネスモデル
・SOULS(ソウルズ) – エクスプローラー
・Fishman(フィッシュマン) – Beams(ビームス)
価格帯別渓流ベイトロッド一覧
販売はされていても実際に店頭で見かけることの少ない渓流ベイトロッド。
どれを買っていいか分からないと思いますので、購入の際の決め手となりやすい「価格」を基に分けてみます。
以下、アマゾン、楽天などの実売価格を基に価格帯別に並べ替えてみました。
(本流を除く、6フィート以下の渓流用トラウトロッドのみになります)
<最安値>
■ TURINGMONKEY(ツリモン) グレート鱒レンジャー改 CT50
オールグラスソリッドロッド、「鱒レンジャー」のベイトロッド版。
ベナンベナンのグラス故にややクセがありますが、スピニングのものよりハリを持たせることで扱いやすさが向上しています。
実売3千円と最安値。
<実売1万~1万6千円>
“渓流専用”ベイトロッドとしては一番安い価格帯です。
この辺りはお馴染みの「メジャークラフト」と「テイルウォーク」、「アブ(ピュアフィッシング)」の独擅場。
近年はシマノも力を入れてきました。
<実売1万後半~2万円ほど>
メジャークラフトとテイルウォークなど、安物メーカーはイヤって方はこちら。
<実売3万円~>
やや高価な価格帯。
その分しっかりと作り込まれています。
テンリュウ – 「レイズ ベイト」
・RZ53UL-BC
・RZ56L-BC
スミス – 「Be Sticky Trout」
・BST-HM53UL/C
・BST-HM55UL/C
・BST-HM57UL/C
<実売4万円以上>
ここからは正直自己満足の世界。
ダイワ – 「シルバークリークAGS」
・52L-B
・57UL-B
元々あまり多く出回っていないトラウトロッドの中でも更にマイナーなベイトロッド。
店頭で見かけるのは比較的安価なモデル(メジャークラフトやアブなど)と、特に渓流ベイトに力を入れているメーカーくらいで、実際に手に取って購入というのは厳しいでしょう。
更に価格の高いマイナーなロッドは生産数が少なく、初回生産分を逃すと予約しても手に入るのは来年以降ってのがザラなようです。
そういう訳でオススメという訳ではありませんが、手頃な一本として価格・入手のしやすさからメジャークラフトの「トラウティーノ」、「ファインテール」シリーズ。
実売1万数千円ほどと手頃な価格ながらウッドシートを採用しており、見た目も良好。
少し使ってみたところ、ティップがしなやかで軽いルアーでも乗せやすく、扱いやすい無難なロッドでした。
最初の一本ならこれで十分と言える一本です。
その他、リールにお金を回してロッドに掛けるお金がないという場合は「鱒レンジャー」も有りかと思います。
オマケ 地味に重量なリールシート
地味に重要なリールシートについて。
写真左:Fuji アキュラシーキャスティングシート ACS
写真右:Fuji スケルトンシート SKTS
市販の渓流ベイトロッドの大半がオリジナルのウッドシートを採用していますが、一部は富士のリールシート 「ACS」か「SKTS」を採用しています。(ACSを採用しているロッドはスミスの「Be Sticky Trout」のみ)
ベイトの場合、スピニング以上にシートの形状が重要で握り心地、グリップ力に影響します。
写真で見て分かる通り、ACSは厚く、SKTSは薄い(細い)。
ベイトはワンフィンガーキャスト、スリーフィンガーパーミングが基本とされていますが、渓流ではこの持ち替えがロスになり、何より面倒なのでツーフィンガーが基本です。
慣れの問題もありますが、ツーフィンガーグリップでの安定性としては、ACS > ウッドシート > SKTS
トラウトロッドには見た目がイマイチなものの、ACSはツーフィンガーでの安定性が高く、優秀なリールシートです。
あくまで優劣をつけるのならACSに軍配が上がる、というだけで慣れればSKTSでも十分使えます。
トラウトロッドは見た目を重視する傾向もあるのであくまで参考程度に。