渓流ベイトフィネス考察 第三弾

渓流ベイトフィネスに最適なタックル

3回目はラインについて。



<2017年4月 – 記事修正・追記>

新製品に対応するべく、一部記事を修正・追記しました。



ナイロン、フロロ、PEライン、それぞれの特徴

20150804-1

まずは簡単にそれぞれのラインの特徴を。

▼ナイロン
・適度なしなやかさ
・伸びがある(低伸度のものもああります)
・吸水性があるため、劣化が早い
・安価

▼フロロ
・比重が重いため、沈みが早い
・耐摩耗性が高く、根ズレに強い
・初期伸度が低く、感度がいい
・硬いためコシが強い
・ナイロンに比べやや高価

▼PE
・伸びがほとんどなく、好感度
・強度が高いので細いラインを選択できる
・根ズレに弱い
・コシがほとんどなく、しなやか
・直結での使用には向いておらず、リーダーの接続が必須
・他のラインに比べ高価



各ラインの使用感

実際に渓流で使ってみての使用感。
※フロロは使っていません。

■ナイロン
20150804-2

一度だけ使ってみました。

ベイトでも評判通りの扱いやすさでライントラブルは起きにくかったものの、普段からPEを多用している自分にはどうしても伸びが気になって…。

以降まったく使っていません。

ちなみにナイロンは伸縮性があるため、巻きっぱなしはスプールに良くないようです。



■フロロ
20160413-10

フロロは渓流では一度も使っていません。
渓流以外ではロックフィッシュなどに使うことがありますが、
ラインが硬くて膨らみやすいため、バックラッシュが多い印象。。

ただでさえキャストに支障が多い渓流では、とても使おうという気になりませんでした。
いつか使ってみたいとは思っていますが…。

<2016年5月 追記>

実際に使ってみました。

予想に反して、ほとんどバックラッシュすることなく普通に使えました。
(やはり先入観だけで決めつけるのはよくないですね)

ナイロンほど伸びがないためルアーの操作性もよく、フロロの比重、根ズレの強さは源流域で特に活きてきます。

詳細はこちら↓

関連記事:渓流ベイトフィネス × フロロの使用感



■PE
20150804-3

現在のメインライン。

0.4号をメインに使い、現在は0.6号を巻いて使っています。

PEと言えば高強度・感度、細糸を使えることによる飛距離UPですが、それらを求めて使っている訳ではありません。

ベイトにPEのメリットはキャストのしやすさ、ライントラブルの起こしにくさ。

あとは伸びのないことによるルアーの操作性など。

一般的にPE=トラブルが多いというイメージが強いようですが、コシのないPEはラインが膨らみにくいため、意外とバックラッシュしません。

単純にバックラッシュの起こしにくさで言えばナイロンより上です。

軽いバックラッシュ程度なら簡単に直すことができます。
20150804-4

反面、思いっきりバックラッシュしてしまうと高確率でラインが結べてしまって再起不能に陥ることも・・・。



PEの欠点である耐摩耗性の低さについて。

過去根ズレによるラインブレイクは一度のみ。

根掛かったルアーを外そうとロッドを煽った瞬間切れたことがありました。
(ライン交換を怠り、ラインの傷みが蓄積されていたため)

直接根ズレで切れたことは今のところありません。

ナイロン、フロロに比べて根ズレに弱いことに違いはありませんが、よほど強く擦られなければ意外と切れないものです。



PEラインの使用に必須のラインシステム。
20150804-9

6~8lbのフロロリーダーを30~75cmほど結束して使っていました。

面倒なのがラインの結束方法。

「FGノット」が一番優れてはいますが、手間なのがネックです。

釣行前の準備でならまだしも、釣りの最中には正直結ぼうと思いません。

そこでオススメなのが簡単に結べる「電車結び」です。

弱い、結び目が大きいと、ルアーでは特に敬遠されている電車結び。

これが意外と丈夫でこれまで一度も切れたことがありません。

と言いたいところですが、先日やってしまいました。。(汗)

参考記事:「ブラウントラウトを求めて・・・
まぁこれは強度不足ではなく、結んだ際の端糸を短くし過ぎたことが原因だと思われます。

それでも40近いイワナもキャッチしており、実用は十分合格レベル。

40位上の魚が交じるならまだしも、せいぜい尺程度までなら電車結びでも対応できます。

FGノットはある程度練習しないとまともにノット組むことができませんが、電車結びなら簡単に結べ、すっぽ抜けしにくいので初心者にオススメです。

結びのコツとしてはリーダー3回、PE6~8回巻くこと。



ラインによるスプール自重の変化

まずは基となるスプールの重量。
20150804-6

自重:13.5g

これにPEとナイロンを巻いてどれだけスプールが重くなるか計測します。

注)30m巻くつもりでしたが、勘違いでハンドル10回転分少なくなってしまいました。
よって約25m分となります。



ナイロンライン 5lb 約25m
20150804-7

14.2g

→約0.7gの増加



フロロカーボンライン 5lb 約25m
20160513-1

14.6g

→約1.1gの増加



PEライン 5lb 約25m
20150804-8

13.8g

→約0.3gの増加

ナイロンと比べて0.4gほど軽いです。

数値としては微々たるものですが、これだけでもキャストフィールに差が生じ、特に軽いルアーほど顕著に差が出ます。



ラインの巻き量

スプール重量に関連して重要なのがラインの巻き量。

通常、使用する長さの2倍以上は巻いて釣行毎に傷んだ先をカットしていく、
というのが一般的ですが、ベイトフィネスでは違います。

必要以上に多く巻くとそれだけスプールが重くなるため、
キャストフィールが悪くなり、結果投げにくくなります。

そのため、巻く量は必要最低限。

とりあえず一つの目安としては30メートルもあれば十分でしょう。
(源流域なら20メートルでも事足ります)

最低限の長さなので当然途中で切れてしまえば釣りにならなくなります。

そういう場合に備えて予備スプールかラインを持っておきましょう。



渓流ベイトフィネスに最適なライン

ストレスなく釣りをするためにも、投げやすさ、トラブルの起こしにくさで選びましょう。

無難な選択としては扱いやすいナイロンですが、PEも捨て難いものがあります。

より軽いルアーをキャストしたいのなら、尚更比重の軽いPEラインがオススメです。

ベイトはスピニングに比べてドラグ性能が劣っているため、パワーを活かすためにもラインの強度はスピニングのワンランク上が目安。

ナイロン、フロロなら4~6lb、PEは0.4~0.8号がちょうど良いでしょう。
(もちろん釣れるサイズにもよります)

その他、取り扱いの注意点として、
・ラインの巻き量は最低限(30mが目安)
・ラインの劣化、痛みを考慮して釣行3回に1回を目安に巻き替えること



オススメのPEライン

最後にオススメのPEラインを紹介。

■ シマノ パワープロZ

以前オススメした下記「ラピノヴァ」よりコーティングが強く、コシがあります。



■ ラパラ ラピノヴァX マルチゲーム
20150804-5

コスパに優れたラインとして評判の4本撚りPEラインです。

0.4号-150m巻きでも2,000円しません。(0.6号なら1,500円)

ノンコーティングのPEと比べると根ズレにも強く、適度なコシもあるため、非常に扱いやすいラインです。
(コシが抜けるのがやや早めですが、すぐに巻き替えるので問題なし)

頻繁に巻き替えるのにこれほど適したラインはありません。

釣具店だけでなく、アマゾンでも取り扱っており、何気に最安値です。

■Amazon



■ナチュラム



ちなみに例に漏れず「渓流ベイトフィネス専用ライン」なるものが発売されましたが、何を以って専用なのかよく分からないばかりか、びっくりするほど高価…。

とてもこまめに巻き替えようとは思えない価格です。。

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