サクラマスを始めとする本流トラウトに最適なベストについて。
トラウトフィッシングで一般的な渓流ベストに、シーバスフィッシングに用いられるフローティングベスト。
安全性と機能性を考慮した上で “本流” でのウェーディングに最適な装備を考えます。
渓流ベストとフローティングベスト
トラウトフィッシングで一般的な渓流ベスト(フィッシングベスト)に、シーバスフィッシングなどに用いられるフローティングベスト(ゲームベスト)。
まずは両者の違いをみていきます。
機能性に優れた渓流ベスト(フィッシングベスト)
トラウトフィッシングではお馴染みの渓流ベスト。
各種ケースに小物といったアイテムを効率よく収納できるようレイアウトされ、複数のポケットが付いているのが特徴です。
ポケットの大きさで渓流用と本流用に分かれ、写真のベストは本流用の大きめのケースが入るタイプ。
他にフライに特化したものもあります。
渓流ベストはあくまで機能性を重視したものであって浮力体は入っておらず、(救命胴衣としての)安全性は備わっていません。
収納・安全性に優れたフローティングベスト(ゲームベスト)
ルアーフィッシングでは主にシーバスや青物などをターゲットに、河川やサーフ、磯といったフィールドで用いられるフローティングベスト(ゲームベスト)。
ルアーの収納だけでなく、フローティングとある通り浮力体が入っていて救命胴衣としての役割も果たします。
収納を兼ねていることもあり、特に川に浸かる(ウェーディング)アングラーには広く普及していて着用率も高めです。
速い流れに深い水深 実は危険な本流域
トラウトフィッシングでは河川を本流・渓流・源流域といった具合に区分し、サクラマスといった中・大型のトラウトを狙うメインフィールドとなるのが本流域です。
本流域はその川の最も根幹をなす主流を指し、一般的に水深があり流れが速いのが特徴。
特にサクラマスのシーズンである3~5月は、雪解け水・雪代により常時増水状態で水量が増しています。
釣りのポイントとなるのは長靴でもいいような場所もあれば、腰近くまで入水する必要のあるような場所までさまざま。
ポイントによっては護岸やテトラに乗って釣りをすることもあり、一歩足を踏み外して落ちてしまうと流されてしまうような危険な場所もあります。
渓流域と違い、そういった危険性の高い本流域ですが、アングラーの装備は渓流ベストが主流。
ライフジャケットの着用率は非常に低く、着用を促すような声も少ないのが現状です。
フローティングベストがトラウトに普及していない理由
フローティングベストがトラウトに使われていない背景として、以下の3点が挙げられます。
・操作性
フローティングベストには固形の浮力材が入っており、その分だけベストが嵩張っています。
ただ巻きが主体のシーバスと違ってトラウトはロッド操作を行うことが多く、嵩張るフローティングベストではロッドアクションの妨げになることがあります。
実際にゲームベストを着用して釣りをしたことがありますが、グリップエンドがベストに当たりやすくロッドの操作性は良いとは言えません。
また、浮力体の入ったフローティングベストは着慣れていないと違和感が強く、まるでアーマーでも着けているような着心地です。
・デザイン(カラー)
ゲームベストは黒色のものが圧倒的に多く、アースカラーが主流のトラウトには好まれません。
あくまで主観ですが、トラウトを好むアングラーはビジュアルを重視する傾向が強く、操作性よりこのデザインを嫌って着用されていないように思います。
・認知不足
そもそもとしてトラウトの釣り全般でフローティングベストが認知されておらず、選択肢にすら入っていないということも考えられます。
トラウト用のフローティングベストというもの自体がほとんどなく、着用を促す声もあまり聞かないため、この釣りを始めるにあたって装備を揃えようとしても候補に上がりにくいのが実情です。
浮力体の入った渓流ベスト パズデザイン ZFV-029 FTG ストリームベストⅡ
ディープウェーディングに欠かせないベストの安全性を高め、こだわりも深めました。
FTGストリームベストⅡは、主に本流や湖でのウェーディング水難事故が起きやすいフィールドを想定としたモデルです。万一転倒した場合に、足先が浮き上り、上半身が起こせず水難事故に至るケースが少なくありません。このFTGストリームベストの浮力体は上部に配置しており、更に首まわりの襟の素材はクロロプレーンを採用する事により、上体を速やかに浮き上がらせる設計になっています。浮力材はビーズフロートシステムTMを採用し、ストレスフリーのフィット感になっています。 ※本製品は救命胴衣ではございません。浮力体はあくまで補助的なモノです。
Pazdesign | PRODUCTS | VEST ZFV-029
▼参考記事(パズデザイン公式fimoブログより)
・シーズン開幕!!パズデザイン的サクラマス装備について 岩崎清志
・本流トラウトにもフローティングベストを!!
・安全対策
本流用のフローティングベストとして設計されたのがこちらのパズデザイン 「FTGストリームベスト」。
浮力材にビーズフロートを採用しており、通常のフローティングベストよりフィット感が高まっています。
“救命胴衣” ではないものの、浮力体は上部に配置するなど落水しても体を速やかに浮き上がらせる設計になっているようです。
デザインもトラウトに合っており、本流用のベストとして良さそうなアイテムです。