以前購入したモーラナイフ。
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少し使ってみたところ、予想以上に呆気なく錆びてしまったのでサビ防止の黒染め・黒錆加工を施してみました。
紅茶とレモン果汁を使った黒錆加工方法を紹介します。
カーボンスチール・炭素鋼製ナイフの黒錆加工方法
それでは、カーボンスチール製ナイフの黒錆加工方法を紹介していきます。
その前にカーボンスチール製ナイフがどれくらい錆びやすいのか、黒錆加工前の下処理などから解説。
錆びやすいカーボンスチール製ナイフ
ナイフのブレードの鋼材として用いられる「カーボンスチール(炭素鋼)」の特徴は以下の通り。
・切れ味がいい
・研ぎやすい
・錆びやすい
この内欠点となるのが錆びさすさでいい加減に扱っているとこのようになります。
スズキの血抜きをした後、水で洗って放置していたところ、このようにサビサビになっていました。
水滴が付いた状態で一日も放っておけば簡単に錆びてしまうことでしょう。
このため、サビ防止の黒錆加工は必須と言えます。
黒錆加工前の下処理 サビ落とし
黒錆加工の前にまずは下処理から。
サビを落とし、ブレードを磨きます。
KURE 5-56を吹いてサビを浮かせます。
そのままスコッチブライト(研磨パッド)で磨いてサビを落とします。
ついでに砥石でナイフを研いでおきました。
もちろん研ぐ過程でサビを落としても構いません。
念を入れてピカールで磨いてみました。(なければけっこうです)
最後に中性洗剤に漬けて油分を落とします。
黒錆加工の仕上がりに重要になってきますので脱脂は十分に行うこと。
パーツクリーナーを使うのも手です。
紅茶とレモン果汁で黒錆加工
いよいよ本題の黒錆加工。
黒錆加工は、ナイフの “鉄” と、紅茶などに含まれる “タンニン” 、レモン果汁や酢の “酸” による反応で黒錆(酸化被膜)を形成し、赤錆を防ぎます。
黒錆加工に必要なものがこちら。
・紅茶のティーパック
・レモン汁(または酢)
・容器(ナイフのブレードが完全に浸かる大きさ)
入手しやすく安価なものとして、紅茶は日東紅茶やリプトン、レモン汁にはポッカレモンが定番。
まず、熱湯にティーパックを3,4パック入れて濃い紅茶を淹れます。
(上の写真と容器が変わっていますがお気になさらず)
これにレモン汁(または酢)を2割ほど入れます。(紅茶8:レモン汁2)
この溶液にナイフの刀身を漬けて放置。
すぐにナイフの表面にブクブクと泡が出てきます。
このまま1~3時間ほど放置。
泡立ちが止んで液が黒っぽくなっています。
次にナイフを取り出し、水道水で液を洗い流します。
後はそのまま自然乾燥。
この際、絶対に刀身に触れないように。
タオルなどで拭いてもいけません。
せいぜいエアーダスターで水分を飛ばす程度。
丸一日乾燥させれば完成です。
ちなみに乾燥が不十分な状態で試し切りしてしまうと、ご覧の通りに剥げてしまいます。
黒錆加工は多少は落ちてしまいますが、ここまで剥げるとやり直しです。
黒錆加工完了。
元のサビの影響もあってか多少はムラになっています。
黒錆加工後はえごま油などの乾性油を塗っておくと良いようです。
黒錆加工のポイントとして、
・加工前にしっかりと脱脂しておくこと
・取り出しからは絶対に触らず十分乾燥させること
・錆びる前にやっておくこと
そのままでは確実に錆びるので購入してからすぐに加工しておくことをオススメします。