シマノ コアソリッドシリーズのツインパワーがモデルチェンジ。
メタル(Mg/Al)ローターを搭載することにより、剛性が大幅に向上。
強い負荷が掛かった状況でも安定したドラグ性能・巻き上げ力を実現します。
前モデルより軽く、強くなった「20 ツインパワー」。
【高剛性・高耐久】 シマノ 20 ツインパワー
金属ローター×HAGANEボディ。
さらに質実剛健の極みへ。誕生以来、30年の歴史を積み重ねてきたツインパワー。今作には、長年追い求めてきた質実剛健の理念を結集し、たわみや歪み・ネジレを抑制する金属ローターを搭載。HAGANEボディとの組み合わせにより、過剰なまでの剛性感と耐久性を獲得した。さらに、剛性に優れた金属ローターは、ステラを彷彿とさせる安定した巻き心地を生み出し、永続的に滑らかなリーリングをも可能にする。それだけではなく、新たにロングストロークスプールを採用したことでキャスト性能も向上。あらゆるシーンで信頼をおいて使い込めるタフな一台へと進化を遂げ、新たな歴史をスタートさせる。
ツインパワー[TWIN POWER]|シマノ -SHIMANO-
【デザイン】 シルバーからガンメタ&ゴールド
カラーリングが前モデル「15ツインパワー」のシルバーから「16ヴァンキッシュ」のようなガンメタ&ゴールドへ。
シンプルだった前モデルからガラリと印象が変わりました。
スプールの印字は前モデルと変わらず “TP” と省略表記されています。
シマノらしさが光る高剛性メタルローター
NEWツインパワー、一番の目玉がこちらのローター。
シマノのスピニングリールは、しっかりとした滑らかな巻き心地を重視したコアソリッドシリーズ、巻きの軽さを重視したクイックレスポンスシリーズに分かれ、その決め手となるのがローターです。
ローターの重さ(質量)による慣性の違いが重視され、それを基準に各シリーズに分類されていますが、ローターにはもう一つの要素があり、それが剛性(捻じりに対する強さ・撓みにくさ)。
ローターの剛性は、強い負荷の掛かった際のドラグ性能・巻き上げ力に影響します。
今回のNEWツインパワーで重視されているのが剛性で、ローターの材質に金属を採用することで大幅な剛性の強化が図られています。
(前モデルと比較して、負荷を掛けた際の変形量が6割減とのこと)
使われる金属は、小型のC2000番のみマグネシウム、他はアルミ製。
前モデル「15ツインパワー」では、ローターの材質は高強度樹脂で金属ではありませんでした。
意外なことに同じコアソリッドシリーズでもほとんどが高強度樹脂を採用しており、金属を採用しているのはフラッグシップモデルの「ステラ」のみ。
金属と樹脂では重量差が大きく、ある程度の剛性を確保した上で少しでも軽量化を図るための高強度樹脂採用だと推測されます。
余談ですが、もともとシマノは剛性寄りの設計思想で、慣性を意識し始めたのはリールにも感度が求められるようになったため。
(要するにライバル社であるダイワの影響です)
(剛性を落としてでも)軽量化を重視する設計思想にシマノ内部の技術者は懐疑的だったようです。
HAGANEボディ(アルミとCI4+のハイブリッド?)
ボディはもちろん「HAGANEボディ」。
安心・高剛性のメタルボディといいたいところなのですが、どうも所謂 “半プラ” のハイブリッドボディの模様。
写真のリールフット側ボディ(脚付き蓋)はアルミ製ですが、ギアボックス側ボディが何製なのか書かれておらず不明です。
シマノプロスタッフである「黒田健史」さんのブログ記事によると、ツインパワーはアルミ、マグネシウム、CI4+のすべてが使われているようなのでギアボックス側ボディはカーボン樹脂のCI4+製の可能性が高く、少なくともオールアルミボディというわけではなさそうです。
18ステラは基本各パーツ、マグネシウムとジュラルミン(アルミニウム合金)の組み合わせでできています。(ローター素材なんかは番手によって違います)
一方、ヴァンキッシュは基本各パーツ、マグネシウムとCI4と呼ばれる強化樹脂の組み合わせでできています。
そして、今回の20ツインパワーはその全ての素材が使われています。
ステラと同等の強度を確保しながら軽量化を施されたのが20ツインパワーです。
引用元:2020 ツインパワー TWINPOWER | 黒田健史の「いろはにほへと」
この組み合わせによるハイブリッドボディは多くのシマノ製スピニングリールに採用されており、懸念される強度・耐久性については問題ないでしょう。
搭載されるギアは、お馴染みの「HAGANEギア」。
【巻き心地】 マイクロモジュールギアⅡ × サイレントドライブ
新技術である「マイクロモジュールギアⅡ」に「サイレントドライブ」を搭載。
滑らかな巻き心地を実現します。
【飛距離】 AR-C × ロングストロークスプール
定番の「AR-」Cに、新スタンダードの「ロングストロークスプール」ももちろん搭載。
その他、テクノロジー
その他、防水構造「X-プロテクト」も搭載。
最近のスタンダードになるつつあるドラグワッシャーの使い分けもされています。
1000番から4000番までは滑り出しに優れたフェルト製、C5000番は耐久性重視のクロスカーボン製ワッシャーを採用。
【13機種】 ラインナップ・スペック
ラインナップは、汎用スピニングだけあって一通り揃った全13機種。
品番 | ギア比 | 最大巻上長 | 最大ドラグ力 | 自重 | スプール寸法 | ハンドル長 | ベアリング | 本体価格 |
C2000S | 5.1 | 69cm | 3.0kg | 180g | 43φ/13.5mm | 40mm | 9/1 | 43,000円 |
C2000SHG | 6.1 | 82cm | 3.0kg | 180g | 43φ/13.5mm | 45mm | 9/1 | 43,000円 |
2500S | 5.3 | 78cm | 4.0kg | 210g | 47φ/17mm | 50mm | 9/1 | 44,000円 |
2500SHG | 6.0 | 89cm | 4.0kg | 210g | 47φ/17mm | 55mm | 9/1 | 44,000円 |
C3000 | 5.3 | 78cm | 9.0kg | 215g | 47φ/17mm | 55mm | 9/1 | 44,000円 |
C3000MHG | 6.0 | 89cm | 9.0kg | 215g | 47φ/17mm | 55mm | 9/1 | 44,000円 |
C3000XG | 6.4 | 94cm | 9.0kg | 215g | 47φ/17mm | 55mm | 9/1 | 44,000円 |
3000MHG | 5.8 | 86cm | 9.0kg | 230g | 47φ/17mm | 55mm | 9/1 | 46,000円 |
4000 | 5.3 | 87cm | 11.0kg | 255g | 52φ/19mm | 55mm | 9/1 | 46,000円 |
4000PG | 4.4 | 72cm | 11.0kg | 260g | 52φ/19mm | 57mm | 9/1 | 46,500円 |
4000MHG | 5.8 | 95cm | 11.0kg | 255g | 52φ/19mm | 55mm | 9/1 | 46,000円 |
4000XG | 6.2 | 101cm | 11.0kg | 260g | 52φ/19mm | 57mm | 9/1 | 46,000円 |
C5000XG | 6.2 | 101cm | 11.0kg | 260g | 52φ/19mm | 57mm | 9/1 | 46,500円 |
各モデルのサイズ感、スプールの互換性はこうなっています。↓
前モデルから軽量化
ローターが重い金属製となった割にリール重量は前モデルから軽くなっています。
参考までにC3000番で30グラムもの軽量化を実現。
・15 ツインパワー C3000:245g
・20 ツインパワー C3000:215g
より軽く、強くなったNEWツインパワー それでもコレジャナイ感が・・・
スペックだけ見ると、前モデルから軽く、強くなった20ツインパワー。
一通りの最新テクノロジーを採用し、順当に進化しているものの、やはり気になるのがそのボディ構成。
わざわざ重いアルミ製ローター(C2000はMg)を搭載してまで剛性アップを図っているというのに、ボディが半プラのハイブリッドボディというチグハグっぷり。
ボディ単体でいえば前モデルのオールアルミボディからダウングレードしています。
素人考えですが、Mg・アルミ製ローターとアルミ製フット側ボディに挟まれる形となるギアボックスに負担が掛かるイメージ。
もはや金属信仰とでもいうべき思想ですが、やはりここまでするならいっそオールアルミの方が安心感があって精神衛生上良いですよね。
(フィーリングって意外と大事)
前モデルと重量変わらずにオールアルミ製ボディ&ローターの方が好印象でした。
まぁこれはフィーリングの問題が強く、実際に使ってみると長年使用しないことには分からないレベルなのでしょう。
発売は2020年3月予定。