ダイワ製スピニングリールの1000番と2000番の違いについて解説。

LT1000とLT2000の違いを比較

意外と知られていないであろうLT1000とLT2000の違いを解説します。

20ルビアスの初回ラインナップにLT1000がなかったことからネット上でよく見かけた1000番需要。

「LT1000」に何を求めているのか、軽さ? それともスプール径?

LT1000とLT2000の違いを比較し、その差がどのように影響するのかを解説します。

LT機のボディサイズは同じ #1000番ボディ

まず軽さについてですが、重量はほとんど変わりません

LTコンセプト機より前のリールでは、1000番と2000番でボディサイズが異なりました。

左:セオリー 1003、右:セオリー 2004

ボディサイズは、1003が#1000番ボディ、2004が#2500番ボディ。

2000番と2500番でボディサイズは共通でした。
(ちなみにボディサイズが異なっても1003と2004でスプールの互換性あり)

このため、従来機では1000番と2000番で選ぶだけの理由となり得る重量差がありました。
(軽量・コンパクトボディのセオリーだと、ボディのみの重量差は5gほどと控えめ)

それがLTコンセプト機より、LT2000も#1000番ボディを採用

左:18カルディア LT1000S、右:19バリスティックFW LT2000SS

これにより、LT1000とLT2000の違いはスプールサイズのみとなります。

また、従来機同様にLT1000とLT2000でスプールの互換性があります。

違いはスプールサイズのみ LT1000/LT2000

LT1000とLT2000の主な違いであるスプールサイズ。

LT1000とLT2000スプールで以下の違いがあります。



重量

その差は3,4g程度。

このため、LT1000とLT2000のカタログスペックのリール重量は基本的に変わりません。
(18イグジストのみ5g差)

<スプール重量>
18カルディア LT1000S・・・19.15g
19バリスティックFW LT2000SS・・・23.0g



ラインキャパ(糸巻量)

LT1000S・・・2.5lb-100m(ナイロン)

LT2000S・・・3lb-150m(ナイロン)

基本的によほどラインを多めに巻く方以外は気にならないはずです。



スプール径

LT1000・・・φ40mm

LT2000・・・φ42mm

この差が一番大きく、最大巻き上げ長、ライントラブルの起こりにくさ、飛距離に影響します。(後述)

スプール径の違いによる影響 φ40mm/φ42mm

スプール径の違いにより影響する「最大巻き上げ長」、「ライントラブルの起こりにくさ」、「飛距離」。



最大巻き上げ長

ハンドル一回転あたりの最大※巻き上げ長は、
スプール径(外径) × ギア比 × 円周率(3.14)で求められます。

※ラインが一杯に巻かれた状態での最大値

例)LT2000:φ42mm ギア比:5.2
42×5.2×3.14=685.776mm → 約68cm

ギア比:5.2のノーマルギアだと、LT1000とLT2000で4cm差となります。



ライントラブルの起こりにくさ

スピニングリールで起こる主なライントラブルがバックラッシュ(ラインがぐちゃぐちゃになって放出される)と、糸よれの蓄積により発生する 俗にいう “ぴょん吉”。

これらはラインを巻き過ぎない、テンションを掛けて巻く、ラインローラーの回転性能を上げるなどの対策がありますが、リール側でできる簡単な対策がスプール径の大きなものを使うこと

スピニングリールはその構造上、ラインローラーから直角にスプールにラインが巻かれるため、どうしても “ヨレ” が発生してしまいます。

それがコイル状に巻かれるわけですから、コイルが大きな方がヨレ・クセがつきにくく、ライントラブルを起こしにくくなります。

特にフロロカーボンのように硬くてクセがつきやすいライン、太いラインで顕著です。



飛距離

ラインがコイル状に巻かれ、それがそのまま放出されるスピニングリールでは、スプール径の大きなものが飛距離の面でも有利。

ただし、これにはロッドのチョークガイド、バットガイド径にも影響があります。

キャスト時にラインは螺旋を描いて放出されるため、チョーク・バットガイドが小さいとガイドリングに当たり、それが抵抗となって飛距離が落ちる原因となります。

スプール径に応じた適度なサイズのチョーク・バットガイドが装着されていれば良いのですが、近年は小さなバットガイドが主流となっています。

これは特にアジング、メバリング、エリアトラウトなど、感度が求められる釣り用のロッドに多くみられます。

このため、一部のアジングロッドでは、1000番のリールを推奨しているものもあります。

【まとめ】 迷ったらLT2000が無難

LT1000とLT2000の違いをまとめると、

LT1000、LT2000は同一ボディサイズ(#1000ボディ)

違いはスプールサイズのみ(スプールの互換性あり)

基本的にスプール径は大きな方が有利(飛距離、ライントラブル)



1000番のリールを推奨しているようなロッドならLT1000という選択ももちろんありですが、はっきり言ってφ2mm程度の差で飛距離は体感できるほど損なわれません。
(太いラインなら差は大きいですが、これらの用途で使用するのは専ら極細ラインです)

そのため、ライントラブル面からいっても迷ったら「LT2000」が無難です。

その他、上には書きませんでしたが、LT1000を選択せざるを得ない理由の一つにギア比の低いパワーギア設定がLT1000に多いことがあげられます。

LT1000S-Pを買ってからLT2000スプールに交換するのは簡単ですが、LT2000S(ノーマルギア)をパワーギアに交換することは基本的に出来ません。
(ギアは単体で買えないため、パワーギアのリールごと買う必要あり)