電解液(希硫酸)、電源、アルミ線、染料、封孔剤etc…
アルマイト加工処理に必要なもの、入手先などを紹介します。
<アルマイトに必要なもの一覧>
▼必要なもの
・電解液(希硫酸)
・電源
・ブースターケーブル
・アルミ線
・染料
・封孔剤(酢酸ニッケル、ホウ酸)
・純水(精製水)
・鉛板(アルミ板でも可)
・温度計(水温計)
・タッパーなどの容器
・ホーロー鍋
・洗浄液(マジックリン、パーツクリーナーなど)
▼あると便利なもの
・剥離剤(モンキーダンク、パイプユニッシュなど)
・保冷剤
・割り箸
・計量カップ
・計量器(キッチンスケール)
・紙コップ
・手袋
・ピンセット
・テスター
などなど
とりあえず思いつく限り列挙してみました。
必要なものの中で特に個人での入手が難しいのが「電解液」と「封孔剤」。
電解液は希硫酸を10~20%程度に希釈したもので、
薬局で希硫酸そのものを購入するか、
希硫酸の入っているバッテリー用電解液を適切な濃度に調整して使うかの
2つの手があると思います。
ただし、薬局での取り扱いについては取り扱いこそあるものの
劇薬の類なので一般人にはまず販売してくれないでしょう。
次に封孔剤について。
封孔剤は「ホウ酸」と「酢酸ニッケル」にできています。
ホウ酸はゴキブリ対策に使われるホウ酸団子のホウ酸で薬局で手に入ると思います。
問題は酢酸ニッケル。
これが必要なものの中で一番入手が難しいでしょう。
まず一般販売などされていません。
これがネックで私は自力での入手を諦めました。
そこで最終手段として検討していた『レッツアルマイト』というアルマイトキット。
個人規模でできる専用のアルマイトキットで
別途電源を用意する必要がありますが、それ以外は一通り揃っています。
自力ですべて揃えようとすると返って高くつくので、
これなら自力で入手するよりも安く、尚且つ確実でしょう。
▼レッツ・アルマイト キット内容
電解液 (4L 1本) 薄めずそのまま使用
粉末染料 (各色染料液が3L、ゴールドは5L作れます。)
封孔剤 50g (封孔液が10L作れます。:水で希釈)
染料用カビ防止剤NK 8cc(染料液1Lあたり1~2滴投入)
鉛板5×30cm
アルミ吊架棒 1本
ストッパーゴム 2個
棒状温度計 1本(30㎝ロングタイプ)
アルミ線 約8M
ブースタケーブル 2M
蓋付タッパ 1個(容量4L)
トレイ
取扱説明書
ちなみに私はヤフオクでこれのCセット(粉末染料が一色した選べないタイプ)を購入しました。
確か1万円を切っていたと思います。
その他、アルマイトキットには入っていないものについて解説します。
まずはこれがなくては始まらない電源。
■電源
電圧12~15Vで1~5Aほどの電流を流せる直流電源が必要です。
電解処理ではアルミに1c㎡あたり約0.03A流れるので
アルマイト加工を施す部品の大きさによって必要なAが変わってきます。
リールの細かいパーツなどは1Aあれば十分でしょう。
電源にはトランス式とスイッチング式とがあり、アルマイトに使えるのはトランス式になります。
これらの条件で入手可能なものは、車やパソコンの「バッテリー(充電器)」や、
アマチュア無線などに使われる「直流安定化電源」。
カーバッテリーは36B~40B表示のものが使え、
新規に購入しても安いものだと3,000円ほどで購入可能です。
車以外ではノートパソコン用のアダプターが使えるようです。
直流安定化電源はやや高価ですが、中古を探せば3,000~5,000円ほどで入手可能です。
写真の電源はALINCO(アルインコ)社製の「DM-130MV」、
ヤフオクで送料を入れて4,000円ほどで購入しました。
■染料
写真の「Rit」、「ダイロン」などの手芸用染料が使えます。
※ダイロンでも「プレミアムダイ」は使えません。
使えるのは「ダイロンマルチ」です。
何色でも良いならお茶のパックでも色は染まるようです。
ダイロンの大半はAmazonで買うことができます。(Ritも一部取り扱いあり)
■容器(鍋、タッパーなど)
封孔処理用にホーロー加工が施された鍋が1つは必要です。
それ以外はアルミ鍋などで問題ありません。
もちろん実際に調理に使っているものを使ってはいけません。
写真右上のホーロー鍋はホームセンターで購入。(1,000円しないくらい)
それ以外は100円ショップ(ダイソー)で購入しました。
オススメなのが写真左側の「ホーローフタ付きボール」、「ホーロー片手鍋」。
昭和っぽい花柄が目印です。
染色する分にはホーローである必要はありませんが、
フタも付いているのでそのまま色毎に保管できます。
その他、洗浄用のタッパーやボールなども百均で買えます。
剥離剤と精製水について。
失敗したときなどアルマイトの剥離に
水酸化ナトリウムを含んだ「パイプユニッシュ」が代用可能です。
純水(精製水)はバッテリー補充液が使えます。
カーショップはホームセンターで1L/100円ほど。
最後に染色、煮沸など火を使う場所についてですが、台所の使用は遠慮した方が良いでしょう。
臭いの問題や調理する場所で薬品を扱うのはちょっとどうかと。
カセットコンロを使って遠慮のいらない場所で作業をしましょう。
アルマイトに必要なものは以上です。
すべて揃えた場合の費用はおよそ15,000~18,000円ほど。
これほど掛けてまで個人でアルマイトをしようと思う方は極めて少ないと思います。
自分もまさか趣味の釣りでこんなものに手を出すとは思いもしませんでした。^^;(笑)