「ハンドルの再塗装 前編 アルマイトの剥離」の続き、
後編 アルマイト加工による着色です。
いろいろありましたが(進捗状況1、2)、
“とりあえずは”成功したのでひとまずこれで後編終了とします。
まずは前回研磨が不十分だったパーツを再度磨きます。
今回はハンドリューターも使いました。
1500番までペーパーがけしてピカピカに。
本当はもっと細かい番手(2000~3000番)で磨くべきでしたが、
手持ちがこれしかありませんでした。
ついでに言うと紙ヤスリではなく、やや高価なものの専用のクロス?がベストでしょう。
ハンドルノブも同様に。
これがちょっとまずいようで、元々の色は左がガンメタ、右がブルー。
見て分かる通りガンメタの方は明らかに地が違います。
いくら磨いてもエッジしか地が出ませんでした。
たぶん失敗すると思いますが、このままやってみたいと思います。
研磨したパーツを水で洗い、同時にマジックリンや中性洗剤などで油分を落とします。
下準備はこれで終了。
ここからいよいよアルマイト加工処理に入ります。
長くなるのでアルマイトに必要なものなどは別記事で投稿予定。
アルマイト加工の工程をざっくり分けると、
1. 電解処理 ・・・アルミにミクロの孔を開ける
2. 染色処理 ・・・開いた孔に染料を注いで着色する
3. 封孔処理 ・・・孔を塞いで染料を閉じ込める
の3工程。
必要なものが分かっていないとさっぱりだと思いますが、
ざっくり工程を説明します。
1. 電解処理
希硫酸にアルミパーツを浸けて電気を通します。
アルミパーツをアルミ線でしっかりと固定。
注意点として、アルミパーツは素手で直接触らないこと。(油が着くので)
アルミ線の結線はしっかりと2点は接触するように。
アルミ線で結線したアルミパーツを希硫酸に浸けます。
まずはアルミパーツにマイナス、鉛板にプラスをセットし、電気を流します。(十秒ほど)
するとアルミパーツ、鉛板からブクブクと泡が激しく出てきます。
注意:発生する気体は吸い込まないように
これによりアルミの表面をほんの僅か溶かし、研磨の役割になります。(電解研磨)
次は先ほどと反対にセットします。(アルミパーツにプラス、鉛板にマイナス)
これで電気を通すと先ほどとは違い細かな泡で出てきます。
この状態で30分電気を流し続けます。
この際、希硫酸の温度は20~25℃を維持。
30分経過したら空気に触れないよう素早く取り出し、水に浸けて電解液を洗い流します。
この段階でもうアルミ線は必要ないので取り外して構いませんが、
持ち手にするためそのまま次の工程へ。
2. 染色処理
染料(Rit,ダイロン)を適量精製水で溶かし、温めて50℃を維持。
染料1:精製水5~10
これに先ほど電解処理をしたアルミパーツを入れます。
こちらも基本は30分浸けますが、好みの色合いに染まったところで取り出しても構いません。
40℃を下回らないように50℃前後を維持しながら時折かき混ぜます。
なるべく空気に触れないよう取り出し、素早く水で洗います。
予想通りガンメタだった方は失敗していますね。。
次の工程の前にアルミ線は外しておきます。
3. 封孔処理
封孔剤(ホウ酸、酢酸ニッケル)を精製水で溶かし、沸騰させ90℃以上に維持。
これに染色したアルミパーツを入れ15分煮沸されます。
↑写真は処理後に撮影したもの
沸騰させた状態で15分維持するため、かなり水分が蒸発します。
封孔液はなるべく多めに作っておきましょう。
また、臭いがキツイため換気はしっかりと。
煮沸後、最後の水洗い。
これでもう素手で触っても大丈夫です。
完成。
水に使っている状態だと光沢があり綺麗に見えますが、
取り出して乾燥させるとツヤが弱まって色合いがちょっと変わって見えます。
染料は耐光性が高くないようなので
色褪せしないようにクリアー塗料でコートしてやると良いようです。
じっくり見てみるとムラになっている部分もありますが、
ぱっと見は分からないので個人で行う分には十分合格点だと思います。
失敗したハンドルノブ。
これはもうどうしようもないのでガンメタ以外のカラーを買い直すしか手はなさそうです。
取り付けイメージ。
オレンジには違いありませんが、まだ赤みが強いですね。
プレッソのオレンジはオレンジゴールドって感じなのでまたやり直そうと思います。。(汗)