ダイワ 「15 フリームス 2004」の各部重量測定とインプレッションです。



2004番というサイズなので主な用途はもちろんライトゲーム全般。
20160121-1

ソルトだけでなく、渓流でも何度か使いました。
20160121-2

正直言って全然使い込めていませんが、
発売から一年という節目、せっかくなのでこの機会に使用感をお伝えしようと思います。



今回は“2004”という番手・サイズの使い心地を紹介。

2004、2508R-Hの共通インプレは別記事にて総括したいと思います。



まずは2004番の基本スペック。

<スペック>
自重:250g
ギヤ比:4.8
巻取り長さ:64cm
最大ドラグ力:2kg
標準巻糸量:ナイロン 4lb-100m、PE 0.6号-100m
ベアリング:4/1
価格:15,800円

メーカー製品ページはこちら



インプレの前に各部の重量をみていきます。

<各部重量>

▼本体重量(総重量)
20160121-3

約249g

カタログスペック通りです。

アルミボディになったことにより、
ザイオン製ボディの「11 フリームス」より30グラムも重くなっています。



▼スプール
20160121-4

約44g

11年モデルと同じくアルミスプールなのでずっしりと重いです。

スプール一式の取り寄せ価格は4500円。
(重いのであえて同じスプールを取り寄せることはないと思いますが)



▼ローター
20160121-5

約45g

リール専用ファイバー強化特殊プラスチック:DS4製のエアローター。

「15 ルビアス」や「14 カルディア」に採用されているDS“5”ではなくて、
それより下位のDS“4”です。

グレードは、ザイオン>>>DS5>>DS4の順。

さすがに差別化が図られていますね。

重さだけで言うとお世辞にも軽いとは言えません。(むしろ重い)

参考までに、「07 ルビアス」 2004のザイオン製ローターが約30グラム。



▼ハンドル
20160121-6

約28g(ハンドルノブ込み)

共回り式のハンドルです。

ノブとハンドル、個別に測るのを忘れていました。



<インプレ>

去年の2月に購入したこのリール。

話題のNEWドラグ「ATD」と、
あえて重いリール着けることによってどの程度ロッドとのバランスに影響を及ぼすか
試しておきたかったので買ってみました。

冒頭でもお伝えした通り、今回は2004番のインプレということで
ライトゲーム用としての“ATDの使用感”と、
“リールの重さによるロッドバランスの変化”についてをメインに書いていきます。



それと初めに断っておきます。

このリール、今はもう手元にありません。^^;(笑)

後述のとある理由などから今月の頭に売却し、
シマノ 「15 ストラディック」の購入資金にあてました。

まぁ購入時点でたぶん売ることになるだろうなとは思っていました。



それではまず「ATD」について。

ATD – オートマチックドラグシステム

滑り出しが良く、かつ、”粘る”ドラグとのこと。

単純に既存のUTDの進化版というわけではなく、
どうもこれまでのドラグシステムとは特性が異なるようです。

特性についての詳細はこちらを参照↓
・「DAIWA : ATD – Web site
・「ATD(オートマチックドラグシステム) – Daiwa

その異なる特性から、従来のドラグに慣れた身としては慣れが必要でした。

UTDこそ「13 セルテート」で使ったことはありますが、メインは「07 ルビアス」。

古いリールなのでUTDですらなく、性能の差は歴然です。

正直慣れるまではズルズル滑るだけのドラグという感じで、
ドラグの出方、調整に戸惑い、使いにくいとさえ思うほど。



ATDはその特性からこれまでのドラグよりやや緩めに設定する必要があります。

この調整が少し難しく、緩め過ぎると本当にズルズルになってしまいます。

適切に設定できれば、フッキング時には滑らず(瞬間的な摩擦で締まる)、
出るときには一見滑っているようで微妙にテンションを掛けながら出てくれます。

自分自身、ドラグについてはあまり深く求めておらず、
単にラインが切れなければいいや程度の認識でした。

そういう意味で今回のATDは興味深く、面白いドラグです。



基本的に良いドラグだとは思いますが、滑り出しが良すぎることによる弊害も。

カサゴなどのボトム中心の魚を狙っていると底を取る必要があり、
ボトムを舐めるようにトレースすることがあります。

その際、底をとって根掛からないようにボトムの感触をそーっと確かめていると、

ドラグがチチチッ・・・

根や固い海藻に軽く引っ掛かりそうになった程度でドラグが滑り出してしまい、
それがティップにも反応してアタリと紛らわしい。。

んっ? アタリ!?

と、勘違いして根にフッキングをかましてしまうことが
使い始めの頃にちょくちょくありました。。(汗)

これまでのドラグでは設定値が違い、滑り出しも良くはなかったので
同じ状況でドラグが滑ることはまずありません。

緩めに設定していると出なくていいところでも出てしまうので
そこはちょっと邪魔くさいなと感じることがありました。



その他、ATD発表当時に騒がれていた問題として、
もし大物が掛かって、その魚が急に突っ走る、
根に突っ込まれそうになったときにドラグがスムーズに効いてくれるか?
と、いうもの。

ライトタックルは特にライン強度に余裕がないのでこのあたりのことは僕も疑問でした。

ATDを紹介する動画で、一気にラインを引っ張り過ぎて切れてしまうハプニングもありました。
(村上晴彦さん出演の動画)

これを見てダメじゃんと思いましたが、冷静に考えてみると、
魚に紹介動画のような極端な力の加わり方(瞬発力)はなく、
実釣においてはこれまで通りロッドを寝かせて対処してやればいいだけのこと。

(ガチガチに固いロッドでなければ)ロッドがクッションになってくれますし、
魚が急に走ったら の問題はたぶん大丈夫でしょう。

100kgのキハダを釣り上げていますし。(適当)

気になるのは、行かせまい、潜られまいと、ロッドを立てて
アングラー側が意図的にテンションを掛けた場合。

この場合でもきちんと追従してくれるのかが懸念されます。

この辺りを含め、
エステルのような瞬間的な負荷に弱いラインでほとんど試せなかったことと、
急な突っ込みをみせるような大物を掛けることができなかったことが悔やまれます。




次にロッドとのバランス。

ロッドのバランスを取ることによって先重り感を軽減させ、
所謂オフのアタリ(抜けアタリ)を取りやすくしようという目論見です。

重さの違うリールによってどの程度バランスが変わるのか、
手持ちのアジングタックルで試してみました。

ロッドはオリジナルの「69UL-S」重量:約76g

これに「07 ルビアス」2004と「15 フリームス」2004をセットし、
それぞれの重心位置をみてみます。

▼07 ルビアス 2004 – 総重量193g
20160121-7

▼15 フリームス 2004 – 重量250g
20160121-8

2つのリール重量差は約60グラム。

ルビアスの方はライン込+ダブルハンドル装着状態の重量なのでいかにフリームスが重いか・・・



この60gという重量差で移動した重心位置の距離はおよそ7mm。

この7mmでアタリのとりやすさに劇的な変化が・・・



と言いたいところなんですが、、

正直言って全然…

そういったシチュエーションであまり使えなかったこともあり、
むしろ重くなったことによるデメリットの方が強く感じました。

上の写真だとフォアグリップ(リールシートの前側)中央付近まで重心が移動すれば
それなりの効果がみられたことでしょう。

ただ、そこまで移動させるのにいったいどれだけの重量が必要になるのか・・・



今回の検証でリールでバランスを取ることの効率がいかに悪いか思い知らされました。

これならグリップエンドにバランサーを入れた方がよっぽどマシです。

少なくとも同程度の重心位置移動ならバランサーの方が軽く済みます。

ちなみにグリップエンドにバランサーを入れるのはよくないという意見もありますが、
それは入れる重量ありきだと思います。(このあたりのことはまた別の機会に)



リールが重いことによるデメリットは、単純に

・総重量の増加による感度の低下

・重さによる疲労度の増加



たかだか60グラムといってもライトタックルでこの差は非常に大きいです。

軽いロッドに対し、やたらとリールが重いので
リールの重さでロッドが振られるような感覚がありました。

渓流で使用した際には、このリールで半日ほどロッドを振っていると
リールフットを挟んでいる中指と薬指が痛くなることも。

軽量なルビアスではこのようなことは一度もありません。

渓流ルアーはキャスト回数が多く、ルアーをアクションさせるために小刻みにロッドを振ります。

その動作一つ一つにリールの重さが加わることによって衝撃が掛かり、結果として指が痛くなる…

軽いは正義だな… と染み染み痛感させられました。



<まとめ>

・ATDはこれまでのドラグとは特性が異なる、ドラグ調整に注意

・2000番台で250グラムという重さはあまりにも重過ぎる



ATDは慣れてしまえば問題ありません。

これまでとは特性が違うことを理解していれば、
こんなエントリークラスのリールにこれほどのドラグが採用されていていいのか
ってくらい非常に良いドラグシステムです。



問題は重量。

さすがにこの重さはいただけない。

このサイズ(2000番台)にメタルボディにするほどの剛性は通常必要ありません。

それより、軽くない、重いことによるデメリットの方が遥かに大きいです。

アジやメバルといったライトゲーム用途にこの「15 フリームス」は向いていません。

これならまだ前モデルの「11 フリームス」か、
ライバル機であるシマノの「12 アルテグラ」の方が良いでしょう。



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