シマノ ストラディックシリーズ(15 ストラディック、16 ストラディックCI4+)のBBチューン。
ベアリング一体型のラインローラーを、
非一体型の2BB仕様・1BB仕様にする改造方法を紹介します。
ラインローラー一体型の問題点
改造の前に、標準のラインローラーの問題点から。
ストラディックシリーズのラインローラーは、防水機構「コアプロテクト」の一環で
ラインローラーとベアリングが一体化した1BB仕様になっています。
ラインローラーとベアリングを一体化、間に撥水加工を施すことで水の侵入を防ぎ、
注油不要のメンテナンスフリーを謳っています。
が、これがおよそ防水と言えるほどでもなかったらしく、
初採用の「14 ステラ」ではあまり評判がよくなかったようです。
そこで「15 ツインパワー」では改良品が採用され、
後期の「14 ステラ」、「15 ストラディック」にも改良品が採用されることになりました。
この改良品は不具合が起こりにくいらしく、
所有している2台のストラディックも今のところは不具合はありません。
とはいっても、撥水処理は完全ではないため、いずれ不具合が生じることでしょう。
純正のままでは不具合の原因であるベアリングを交換しようにも、
ラインローラーとベアリングとがくっついているため、一式交換する必要があります。
ラインローラー一式の部品代金は2,000円。
ベアリングだけを取り替えれば済む話なのに
ラインローラーまで交換するのは何とも勿体ないですね。
そこで以前「12 アルテグラ」のラインローラーを2BB化した際の方法を用いて、
ストラディックのラインローラーを非一体型の2BB仕様、又は1BB仕様にします。
関連記事:シマノ 12 アルテグラ 改造 ラインローラー 2BB化
1BB仕様 or 2BB仕様
ラインローラーを2BB仕様にするか、1BB仕様にするかで必要な部品が異なります。
↑写真は2BB化に必要な部品
そのため、まずは1BB仕様にするか、2BB仕様にするかを決めましょう。
個人的な意見としては、ラインローラーの構造的に1BB仕様で実用は十分かと思います。
シマノの場合は、ベアリング1つでラインローラーを支持する1BB仕様、
2つで支持する2BB仕様と、それぞれ構造が異なります。
素人考えですが、あの小さなラインローラーをわざわざ2点支持する必要はないと思います。
ベアリングを2つにするということは単純に考えてコスト増。
更に故障率も上がってしまうので、あえて2BB化する必要はないと考えます。
一体型1BB仕様から非一体型1BB仕様にするメリットはありますが、
非一体型2BB仕様にするメリットはあまりないと言えるでしょう。
2BB化は完全な自己満足です。
余談ですが、ダイワの場合は構造が異なるので2BB化するメリットはあると思います。
ダイワはラインローラーをベアリング(またはブッシュ)2つで支持する構造をとっているので、
片側1BB仕様を両側2BB仕様にするメリットはあるでしょう。
片方BB、もう片方をブッシュで支持するなら、
両側共BBで支持するほうが単純に考えて無駄なくスムーズに回転しそうなものです。
必要なもの・取り寄せ部品一覧
2BB仕様、1BB仕様、それぞれ必要になる部品は下記の通りです。
以下、展開図・パーツ価格表から転載。
スピニングリール│パーツ価格表│アフターサービス│シマノ -SHIMANO-
注)下記リストは2500番の取り寄せ部品になります。
改造するリールの番手サイズが異なる場合はそれに合わせてください。
とは言っても4000番までは共通のようなので合わせる必要はないようですが。(未確認)
ラインローラー2BB仕様
2BB仕様にするには「10 ステラ」の部品を使用します。
■10 ステラ 2500S 展開図
10 ステラ 2500S 短縮コード:02431
部品番号:33 RSARB(φ4×φ7×2.5) 1,200円 2個※
部品番号:34 アームローラーブッシュ 50円 2個
部品番号:35 アームローラ 1,000円 1個
部品番号:36 ローラーベアリングカラー 200円 1個
部品番号:37 座金 50円 3個
計3,850円(SARB抜き1,450円)
※ベアリング代用可 外径:7mm 内径:4mm 幅:2.5mm
→ NMB(ミネベア) DDL-740ZZ 約300円 2個
ちなみに部品番号35の「アームローラ」(ラインローラー)は、
下記 アルテグラのものでも代用可能です。
「14 ステラ」のものは「DLCラインローラー」とかいう最上位の代物で
材質?コーティング?が異なり、摩擦係数が小さく強度も高いとか。
価格もノーマルの2倍します。
色も違い、DLCラインローラーは黒、アルテグラのものは金色です。
ストラディックシリーズの標準ラインローラーはゴールドなので、
見た目はアルテグラのものが違和感ありません。
ラインローラー1BB仕様
1BB仕様にするには「12 アルテグラ」の部品を使用します。
■12 アルテグラ 2500S 展開図
12 アルテグラ 2500S 短縮コード:02933
部品番号:17 ラインローラーベアリングカラー 100円 2個
部品番号:18 ボールベアリング(4×7×2.5 SARB) 1,200円 1個※
部品番号:19 ラインローラーブッシュ 50円 1個
部品番号:20 ラインローラー 500円 1個
部品番号:21 ラインローラースペーサー 100円 1個
計2,050円(SARB抜き850円)
※ベアリング代用可 外径:7mm 内径:4mm 幅:2.5mm
→ NMB(ミネベア) DDL-740ZZ 約300円 1個
改造手順
それでは非一体型ラインローラーへの改造手順を紹介します。
2BB仕様にする必要はないと言っておきながら2BB仕様へ改造します。^^;(汗)
まずはラインローラー部を分解します。
「16 ストラディックCI4+」は至ってノーマルなマイナスのネジ。
「15 ストラディック」は特殊なネジを採用しています。
そのため、無印ストラの分解にはT8のトルクスドライバーが必要になります。
ラインローラーを構成する部品を展開した状態がこちら。
交換するのは赤丸の部品3つ。
以下の順で組み込みます。
ラインローラーはベアリングでサンドイッチ。
装着の際はラインローラーの向きに注意。
幅の広い方がアームカム側です。
組み込み完了。
ラインローラーが2BB仕様になりました。
同時に一体型ではなくなったため、調子の悪くなった場合はベアリングの交換だけで済みます。
ストラディックシリーズ フルベアリング化
今回のベアリングチューンでストラディックのBB数が11になりました。
▼これまでのベアリングチューン
シマノ 15 ストラディック 2500S ベアリング追加 6BB→8BB
シマノ 15 ストラディック 16 ストラディックCI4+ ボディ内ベアリング増設
ベアリングを”追加”できる分は以上です。
これでほぼフルベアリングと言えるでしょう。
あとはベアリングを内蔵したスプールを装着(リジッドサポートドラグ化)することによって、
更に1BB、これ以上ベアリングを増やせないフルベアリング仕様となります。
ストラディックとスプールの互換性があり、リジッドサポートドラグを採用したリールは、
「15 ツインパワー」、「16 ヴァンキッシュ」など。
ドラグノブ毎交換すれば旧モデルのスプールも使えるようです。
ただし、ベアリングを内蔵したスプールは1万円近くと高価。。
ここまでするなら素直に上位モデルを買った方が懸命です。