シマノ DCブレーキ搭載ベイトリールの旗艦「アンタレスDC」がモデルチェンジ。

φ37mmのMGLⅢナロースプールに、アップデートされた4×8DCブレーキを搭載。

そして、これまで淡水専用だったアンタレスが鏡面仕上げのまま遂に海水OKとなりました。

飛びの境地へ挑むロープロベイトの旗艦 シマノ 21 アンタレスDC

弾道で魅せよ。飛びの境地へ挑むロープロベイトの旗艦。

ストイックに飛距離を追求するアンタレスDCが、最新の技術を結集して生まれ変わりました。 立ち上がりが軽く伸びのよい弾道を生み出すMGLスプールⅢをDCリールとして初めて採用。 緻密な制御が可能な4×8DCブレーキとの相乗効果で、遠投性能にさらなる磨きが掛かりました。 S3Dスプール、サイレントチューンによって回転をスポイルする振動を抑制。 マイクロモジュールギア、X-SHIPに加え、ハンドル軸受け部分のベアリングを増やすことにより、巻き上げフィールも飛躍的に向上しています。

引用元:アンタレスDC[ANTARES DC]|シマノ -SHIMANO-

ラインナップ・スペック、価格、発売日

ラインナップは、ノーマルギア、ハイギア、エクストラハイギアの3種のギア比に左右ハンドルで計6機種。

品番 ギア比 最大巻上長 最大ドラグ力 自重 スプール寸法 ナイロン糸巻量 ハンドル長 ベアリング数 本体価格
RIGHT/LEFT 5.6 65cm 5.0kg 220g φ37/19mm 16lb-100m 42mm 11/1 77,000円
HG RIGHT/LEFT 7.4 86cm 5.0kg 220g φ37/19mm 16lb-100m 42mm 11/1 77,000円
XG RIGHT/LEFT 7.8 91cm 5.0kg 225g φ37/19mm 16lb-100m 45mm 11/1 77,000円

発売は、右ハンドルが2021年3月、左ハンドルは5月発売予定




「21 アンタレスDC」の特徴

NEWアンタレスDCの特徴とスペック、採用テクノロジーなどをチェック。

「19 アンタレス」がベース

「21 アンタレスDC」は、「19 アンタレス」がベースとなっています。

リールの基本スペックは19アンタレスとほぼ共通で、19アンタレスのDCブレーキ搭載Verといったところ。

スプール径が異なることもあり、ボディの大きさは違うようです。

NEWアンタレスDCは19アンタレスにはない新技術の採用や仕様変更などもあり、前モデルだけでなくベースからも進化しています。

【DCブレーキ】 アップデートされたNEW「4×8DC」

搭載するDCブレーキは、4モードの内部ダイヤルに8段階の外部ダイヤルを備えた「4×8DC」。

ブレーキタイプとしては前モデルと同じ4×8DCですが、従来より精度が向上しています。

内部ダイヤルは、F:フロロ、P:PE、N:ナイロン、X:エクストリームロングキャストの4モード。

スプールの取り外しには3本のネジを外す必要があります。

【ナロースプール】 軽く立ち上がりに優れた「マグナムライトスプールⅢ」

DC初搭載となる「MGL-マグナムライトスプールⅢ」を採用しています。

超々ジュラルミン製のφ37mm、幅19mmのナロースプールで、回転レスポンス(スプールの立ち上がり)に優れているのが特徴。

NEW4×8DCブレーキとのコンビネーションによってキャスト後半も失速せず、伸びのある弾道を実現します。

その他、高速回転時の振動を減少させる「サイレントチューン」ももちろん採用。

注)念の為書いておきますが、「19 アンタレス」と同スプール寸法ですが、DCと互換性はありません。
19アンタレスはφ34mm、NEWアンタレスDCはφ37mmでした。(何を勘違いしたのやら)

【新技術】 ハンドルガタ減少

新規採用技術として、ハンドル軸受部のベアリングを1個から2個へ増やすことによって、ハンドルのガタ付きが大幅に低減されています。

こちらは同じく新製品のNEW「カルカッタコンクエスト」にも搭載され、精密感のある巻き上げフィーリングを実現します。

それにしてもそれらしい技術名をつければ良いのになんでつけないのでしょう?

【海水OK】 伝統の鏡面仕上げのままソルト対応

アンタレスといえば周囲の風景を映し出せる鏡面仕上げのメッキが特徴の1つです。

腐食に弱いメインフレームのマグネシウム材にメッキ(隙間)の電蝕と、およそ海水と相性が悪いため、これまでのアンタレスは淡水専用でした。
(海水OKのDCMDやエクスセンスは表面塗装が異なります)

今回のNEWアンタレスDCでは、メッキ精度が向上し、ボディ部分の塗装を一新することで、ソルトでの使用が可能になりました。

マグネシウム合金製であることに変わりはないため、通常のリール以上に気を使う必要はありますが、メーカーがお墨付きなのは安心ですね。




【参考動画・記事】 黒田プロによるインプレ・比較

シマノ新製品でお馴染みとなった黒田健史プロによる「NEWアンタレスDC」の紹介記事・動画が上がっています。

前モデルとのボディサイズ比較や、構造が変わったことによってソルト使用後のメンテナンス性が上がっているかなど、非常に参考になります。

出典・引用元:2021アンタレスDC ANTARES DC | 黒田健史の「いろはにほへと」

YouTubeの動画はこちら。

「21 アンタレスDC」を比較

「21 アンタレスDC」を前モデル「16 アンタレスDC」と、用途が違う「18 アンタレスDC MD」と比較。

それぞれのスペックや採用テクノロジーなどをまとめてみました。

スペック比較 16 アンタレスDC 21 アンタレスDC 18 アンタレスDC MD
ボディ材質 マグネシウム マグネシウム マグネシウム
ギア材質 超高強度真鍮製 超高強度真鍮製 超高強度真鍮製
ドラグ材質 カーボンワッシャ カーボンクロスワッシャ カーボンワッシャ
DCブレーキ 4×8DC 4×8DC(update) 4×8DC MD TUNE
MGLスプール MGL MGLⅢ
スプール材質 超々ジュラルミン 超々ジュラルミン 超々ジュラルミン
スプール寸法(径/幅) φ37mm/22mm φ37mm/19mm φ38mm/22mm
ラインキャパ 16lb-100m 16lb-100m 20lb-100m
ハンドルガタ減少
海水対応 -(淡水専用)
自重 220g 220/225g 235g
ベアリング数 10/1 11/1 10/1
本体価格 76,000円 77,000円 76,000円

<その他、共通技術>
・HAGANEボディ
・HAGANEギア
・X-SHIP
・マイクロモジュールギア
・S3Dスプール
・サイレントチューン

前モデル「16 アンタレスDC」からの進化点

前モデル「16 アンタレスDC」からの進化点をまとめると、

ボディのコンパクト化(自重は変わらず)
XG-エクストラハイギアの追加
4×8DCのアップデート
MGL → MGLⅢ(ナロースプール化)
ハンドルガタ減少(+1BB)
ソルト対応

DCのアップデート、MGL3(ナロースプール化)によるキャストフィールの向上にソルト対応。

順当にスペックアップしています。

重めのルアーのロングキャストなら「アンタレスDC MD」

遠投性の高さに定評のある「アンタレスDC」ですが、遠投においてネックとなるのがラインキャパ。

決して少ないわけでないラインキャパですが、条件によってはラインが放出しきってしまうほど飛ぶようです。

基本的にカスタムスプールというものが存在しないDCリールなのでより深溝のスプールに交換するといった手段がとれません。

そこで糸巻量が多く、ブレーキもチューンされている「アンタレスDC MD」。

比較的最近のリールなので、基本スペックはNEWアンタレスDCに見劣りません。

気持ちの良いキャストフィールにトラブルレスを兼ね備え、どちらかといえばバーサタイルな用途には「21 アンタレスDC」を、

より重量のあるルアーの遠投性を重視するのなら「アンタレスDC MD」に分があることでしょう。




進化したNEWがアンタレスDC 派生モデルにも期待

順当な進化を遂げたNEWアンタレスDC。

キャスタビリティの向上に、鏡面仕上げのまま海水OKになったのは大きいです。

ソルト対応になったことでそのままでも使えますが、派生モデルとして出るであろうNEWエクスセンスDCにも期待したいところ。

特に気になることもなく、良さそうなリールなんですが、「アンタレスDC MD」という選択も捨て難いですね。