ヤマガブランクスのライトゲームロッド、「ブルーカレント ジグヘッドスペシャル 62/TZ NANO」の実釣インプレッション。
本来のアジング・メバリング用途ではなく、管釣りの大物用として活躍しています。
YAMAGA Blanks BlueCurrent JH-Special 62/TZ NANO
ブルーカレント62/TZ NANOは58/TZと同じく、ルアー操作にこだわったシャープなキレとスムーズな曲がり移行を持つブランクが特徴のモデルです。ブランクにナノアロイ®技術を採用し、ファイト時には曲がりとタメで魚をコントロールしやすく、またコンパクトなフォームでキャストできるため、テトラなど足場の悪い場所でも使用感は良好です。ジグヘッド、プラグ共に心地良く操作でき、フォール時の潮圧、前アタリも感じ取れる繊細かつマイルドな高感度性能を研ぎ澄ましています。ルアー操作、アタリを捉える、掛ける、そして寄せると言ったライトゲームの神髄を楽しめる、自由度の高い一本に仕上がりました。
<スペック>
全長:1.88m
自重:53g
継数:2本(逆並継)
仕舞寸法:96.5cm
ルアー:ジグヘッド ~3g
ライン:ナイロン/フロロ/エステル 1~3lb
カーボン含有率:99.8%
本体価格:35,000円
出典:BlueCurrent TZ | YAMAGA Blanks
ロッド詳細 グリップ・ガイド、ロッドバランス
実釣インプレの前にロッドの細部をチェック。
<グリップ>
相変わらずシンプルなEVA素材のセパレートグリップ。
リールシートはFujiの「VSS」。
ロッドビルド界隈では「IPS」より重いため敬遠されているようですが、個人的に細身の「VSS」の方が好みです。
掌に位置する部分が膨らんだ「IPS」は、持ったときに遊び代が少ないので手の小さな自分には操作性がイマイチ。
ちなみにブルーカレントシリーズの採用リールシートは、以下のようになっています。
ブルーカレントⅡ:IPS16
ブルーカレントTZ:VSS16
リアグリップの長さはリールフットから21センチほど。
長すぎず短すぎない、操作性の良いレングス。
シングルはもちろんのこと、(ほとんどしませんが)ダブルハンドでのキャストもできます。
<ガイド>
ガイドはFujiのオールチタンフレームトルザイトリングガイドを採用。
リングサイズ:4~12の総数8個。
▼ガイド詳細
トップ:T-LGTT 4
ティップ~ベリー:T-KTTG 4 *3、4.5、5.5
チョーク:T-KLTG 8M
バットガイド:T-KLTG 12H
注)素人採寸のため、ガイド種類・サイズ間違いはご了承ください。
この手のジグ単特化型ロッドは最低限のフレームしかない軽量な「LFトップ」が用いられることが多いですが、ブルーカレントシリーズは一貫して「LGトップ」を採用しています。
そのため、PEラインも安心して使用できます。
ガイドセッティングは高脚ガイドを用いたKRコンセプト。(風)
これくらいのレングスでバットガイドが小さいとちょうど良い位置にきませんね…。
最近はバットガイドの小口径化が進んでいますが、リールのスプール径からもう1,2サイズ上げてほしいところです。
<重量、ロッドバランス>
▼ロッド重量
自重:54.4g
極端なロッドは置いておいて、同価格帯・レングスのアジングロッドと比較してもかなり軽い部類です。
(6フィート台で60グラムほどが平均的重量)
続いてロッドバランス。
▼シマノ 17 ソアレCI4+ 500S 自重:140g
現時点で最軽量となるこのリールとの組み合わせでトータル200グラムアンダーの軽量タックル。
ロッド自体のバランスが良いので先重りをほとんど感じません。
▼シマノ 17 サハラ C2000S 自重:220g
ツーフィンガーで握った状態で中指に位置するベストバランス。
通常の使用なら総重量の軽い上の組み合わせの方が良いのでしょうが、じっくり抜けるアタリを拾うのならこちらの方が最適か。
実釣インプレッション
一応はアジングやメバリングなどのライトソルト用として購入したつもりですが、現在は完全にエリアトラウト用と化しています。^^;
その他、渓流トラウトでも数回使ってみました。
主な用途である管釣りですが、このロッドを手にしてから大物に恵まれるようになりました。^^;(笑)
念願のイトウもキャッチ!
実釣記事:通天湖で初のイトウをキャッチ!
<ロッドの曲がり、キャスト性、バットパワー>
テーパーはレギュラー~レギュラースロー気味。
とにかくよく曲がるロッドです。
こういったテーパーの割に振り抜けは良く、ティップの戻りも悪くありません。
軽いルアーでもしっかり乗ってくれるので飛距離も上々。
使ってみて一番驚いたのがロッドパワー。
ブルーカレントシリーズは強いことで有名ですが、このロッドはシリーズの中でもライトな部類のはず。
それですらここまでとは思いもしませんでした。
使い始めこそ小さなサイズ相手でもよく曲がるなぁくらいにしか感じませんでしたが、20後半から60後半までのトラウトを一通り掛けたところ、曲がっているようで実はまだまだ余力あり。
ナノアロイのおかげか、大物相手のファイトはよくタメが効いてブチ曲がっている割には余裕を持って対処できます。
バットが突っ張ってしまいがちなファーストテーパー系のロッドと違い、バットまでキレイに曲がってくれるのでサイズが大きいほどバラしにくく感じました。
むしろ半端なサイズだと中途半端にしか曲がらず、返ってバラしやすいくらいです。
アジ、メバルにしろ、20後半クラスがコンスタントに釣れるようならありですが、それ以下のサイズがアベレージならパワーを持て余すばかりで面白くないでしょう。
<感度>
昨今のアジングロッドなどからすると、”並”。
1,2グラム程度の軽いルアーの操作感度は悪くはないものの、特別良くもありません。
変に高感度を期待して使うとがっかりするかと思われます。
比較対象が分かりにくいでしょうが、管釣りで使い比べたところ単純な反響感度で言えばバチプロの方が上でした。
どちらかというと抜けるアタリを取るのに適したロッドかと。
<ハードルアーの操作性>
ジグヘッドスペシャルとのことですが、商品説明の通りプラグも十分いけます。
キャストウェイトがジグヘッド:~3グラムとなっており、3グラムまでと勘違いされやすいですが、
実際には “ジグヘッド 3g + ソフトルアー” となるので5グラム程度まで見込んで問題ありません。
それ以上も余裕でキャスト可能ですが、操作性を考慮すると今ひとつ。
渓流で使ってみたところ、細かなアクションをつけるなら3グラム程度、ジャーク・リフト&フォールなど大きめのアクションをつけるなら5グラム程度までいけそうです。
基本曲がるロッドなので重いルアーだとティップが入りすぎて細かなアクションが伝わりにくいです。
本来の用途である軽いメバル用のプラグにはちょうど良いかと思います。
<総評>
本来の用途外の使用がメインとなってしまいましたが、エリアトラウトに曲がるロッドの相性はバッチリでした。
ヤマガはエリアトラウト用のロッドを出しても良いのでは?
少なくともネイティブトラウト用よりは受けそうです。
はっきり言ってメバルはともかくアジングのジグ単用途にはお世辞にも向いているとは言えません。
特別高感度なわけでもないですし、こういう曲がるロッドもあるんだくらいで認識で終わってしまうかも…。
基本ブルーカレントシリーズは遠投向けのキャロ用を除き、アジングよりはメバル向きのロッドだと思います。