シマノからコスパに優れたベイトフィネスリール「21 SLX BFS」が発売されます。
SLXという名称ですが、ベースは「スコーピオンBFS」。
お馴染みのFTBにエキサイティングドラグサウンドを搭載し、実売2万円未満とお手頃です。
コスパに優れたベイトフィネスモデル シマノ 21 SLX BFS
ベイトフィネスを身近にするハイコストパフォーマー。
確かな基本性能でシマノベイトリールの中軸を支えるSLXに、待望のベイトフィネスモデルが登場しました。制動セクションはベイトフィネス専用に開発したFTB(フィネスチューンブレーキシステム)。スプールからブレーキユニットをなくすことで軽量化し、軽量ルアーをストレスなくキャストすることができます。その他の仕様もX-SHIP、エキサイティングドラグサウンドなど充実。どなたでもクオリティの高いベイトフィネスゲームをお楽しみいただけます。
ラインナップ・スペック・価格・発売日
ラインナップは、2種のギア比(ノーマルギアとXG:エクストラハイギア)に左右ハンドルで4モデル。
品番 | ギア比 | 最大巻上長 | 最大ドラグ力 | 自重 | スプール寸法(径/幅) | 糸巻量(フロロ) | ハンドル長 | ベアリング数 | 本体価格 |
RIGHT | 6.3 | 63cm | 3.5kg | 170g | φ32mm/22mm | 8lb-45m | 42mm | 5/1 | 24,000円 |
LEFT | 6.3 | 63cm | 3.5kg | 170g | φ32mm/22mm | 8lb-45m | 42mm | 5/1 | 24,000円 |
XG RIGHT | 8.2 | 82cm | 3.5kg | 170g | φ32mm/22mm | 8lb-45m | 42mm | 5/1 | 24,000円 |
XG LEFT | 8.2 | 82cm | 3.5kg | 170g | φ32mm/22mm | 8lb-45m | 42mm | 5/1 | 24,000円 |
発売は、左ハンドルは2021年4月、右ハンドルは6月発売予定
「21 SLX BFS」の特徴
「21 SLX BFS」の特徴とスペック、採用テクノロジーをチェックしてみました。
「17 スコーピオン BFS」がベース
出典:スコーピオン BFS[Scorpion BFS]|シマノ -SHIMANO-
「SLX BFS」という名称ですが、既存のφ32mmリール「SLX MGL」をベースとしているわけではありません。
ベースとなったリールは、既存のベイトフィネスリール「17 スコーピオン BFS」。
スコーピオンBFSは型落ちではないようなので、こちらはその下位互換となります。
HAGANEボディ&ギアにX-SHIP採用
基本的なボディスペックはベースとなっているスコーピオンBFSそのまま。
高剛性のアルミ製「HAGANEボディ」に超々ジュラルミン製の「HAGANEギア」を搭載。
ピニオンギアをBBで2点支持する「X-SHIP」ももちろん採用しています。
更にドラグ動作時に音の出る「エキサイティングドラグサウンド」も搭載。
申し分のない基本性能にドラグサウンドという遊び心をしっかりと備えたリールとなっています。
FTB-フィネスチューンブレーキシステム
ブレーキシステムは、シマノのベイトフィネスフィネスモデルで定番となった「FTB-フィネスチューンブレーキシステム」。
シマノお得意の遠心ブレーキではなく、スプールの回転数に応じてブレーキが変化する可変マグネットブレーキです。
スプールは、φ32mmのアルミ合金製ユニットレススプール。
材質が超々ジュラルミンからアルミ合金になり、さすがにここはスコーピオンBFSからランクダウンしています。
「21 SLX BFS」を比較
「SLX BFS」をベースとなった「17 スコーピオン BFS」、上位モデルの「16 アルデバラン BFS」と比較してみました。
基本スペックをまとめたものがこちら。
比較 | 21 SLX BFS | 17 スコーピオンBFS | 16 アルデバランBFS |
ボディ材質 | アルミ | アルミ | マグネシウム |
重量 | 170g | 165g | 130g |
スプール径/幅 | φ32mm/22mm | φ32mm/22mm | φ32mm/22mm |
スプール材質 | アルミ合金 | 超々ジュラルミン | 超々ジュラルミン |
スプール重量 | 不明 | 8.9g | 7.2g |
ベアリング数 | 5/1 | 7/1 | 9/1 |
本体価格 | 24,000円 | 35,000円 | 46,000円 |
その他、共通技術として、
・HAGANEボディ
・HAGANEギア(いずれも超々ジュラルミン製)
・X-SHIP
・FTB
・S3Dスプール
・スーパーフリースプール
・エキサイティングドラグサウンド
・海水対応
はすべて採用しています。
ちなみにスプール互換についてですが、同じスプール寸法ですが「スコーピオンBFS」と「アルデバランBFS」に互換性はありません。
同ボディの「スコーピオンBFS」と「SLX BFS」には互換性がある可能性が高いです。
「17 スコーピオンBFS」と比較
ベースリール「スコーピオンBFS」との大きな違いはスプール。
スプール材質が超々ジュラルミンからアルミ合金とランクダウンしているため、スプール重量の増加が見込まれます。
ベイトフィネスリールでスプール重量は重要な要素。
せめて9グラム台に収まって欲しいものですね。
その他、ベアリング数の違いはカラーに置換されているだけのはずなので同数にできるはず。
価格は定価で11,000円差ですが、実売だと6千円から高くとも9千円差。
「SLX BFS」の予約価格は18,000円前後、発売から経過しているスコーピオンBFSの方が価格が熟れていることもあり、発売直後は「SLX BFS」が割高に感じられるかもしれません。
「16 アルデバランBFS」と比較
現時点でシマノ製ベイトフィネスリール最高性能である「16 アルデバラン BFS」。
今となって古く感じられるリールですが、
・マグネシウムボディによる圧倒的な軽さ(130g)
・(シマノ純正で)最軽量スプール
・メガホン型レベルワインド
は、今でも大きなメリットです。
自分は渓流トラウトで使用しており、現在でもトップクラスの性能で買って後悔のないリールでした。
ただし、今からこれを買うのは非常に悩ましいところ。
少なくとも新品を通常価格で買うのは非常に勿体ないです。
発売からだいぶ経過していることもあり、セールで非常に安くなっていることがあるため、それが狙い目。(目安は3万円以下)
もちろん状態の良い中古を狙うのもありです。
気がかりなのがモデルチェンジの可能性。
今年はモデルチェンジが期待されましたが残念ながらないようです。
これ以上の軽量化は難しいでしょうから、基本ボディはそのままに、スプールの小口径化、マイクロモジュールギアⅡ、サイレントチューンを採用したマイナーチェンジでも十分良さそうなものですが・・・
【参考動画】 黒田プロによるSLX BFSの使用感
参考までに黒田健史プロによる「SLX BFS」紹介動画。
■ シマノ2021新製品!SLX BFS。まぁ実際どうなの???
ぶっちゃけ「SLX BFS」がどの程度の性能なのか、「アルデバランBFS」との比較も交えてレビューされています。
コスパに優れたBFリールですが用途に注意
期待の声が大きかった16アルデバランBFSのモデルチェンジはなく、代わりに発表されたのが廉価モデルの「SLX BFS」。
スコーピオンBFSの下位互換にあたり、ベイトフィネスリールとして十分な性能を備えているようです。
確かにコスパに優れ悪くないリールだとは思いますが、以下の2点に注意してよく検討したほうが懸命です。
・どんな釣りをするのか
・どれくらいまでのルアーウェイトを想定しているのか
早い話がどれくらい軽いルアーをキャストしたいかどうかです。
これまでダイワ・シマノのベイトフィネスリールを何台も使ってきましたが、廉価モデルを選ぶとなるととにかくここが重要になってきます。
ざっくり目安とするなら3グラム以上。
これより軽いルアーのキャストは、スプール重量やスプール径の影響が大きく出ます。
ソルトや渓流・エリアトラウトで1~2グラムのルアーを投げたいといった用途には絶対に向きません。
スコーピオンBFS用のアベイルスプールが入る可能性が高いですが、スプール重量8グラムちょっとと控えめな性能。
追加費用も掛かるため、軽量キャスト用途でこのリールが選択肢に入ることはまずないでしょう。
このリールが適しているキャストウェイト範囲は、それなりの重量(3~7gほど)のルアー。
バスフィッシングのベイトフィネス用途ならバスプロの方達が言うように十分なリールとなっていることでしょう。
もちろん3グラム未満の軽量ルアーを考慮しないのであれば、ソルトベイトフィネスなり渓流ベイトにも悪くなさそうです。
この価格帯でドラグクリッカーまで搭載しているのは大きな魅力ですね。