ダイワ 「21 カルディア」をフルベアリング化しました。

スプール内と受け部、ラインローラー、ハンドルノブ内の計4箇所に5BB追加でき、標準の6BBから11BB仕様にチューンすることができます。

必要になるBBのサイズと部品、追加方法を解説します。

ダイワ 21 カルディア フルベアリング化

ダイワのスピニングリール「21 カルディア」の定番改造フルベアリング化。

追加できる箇所と必要なBBのサイズとリール部品を解説します。

ベアリングを追加できる箇所と個数

ベアリングを追加できる箇所は、

スプール内部(1BB)

スプール受け部(スプールシャフト)(1BB)

ハンドルノブ内部(2BB)

ラインローラー(1BB)

の計4箇所に5つのBBを追加可能です。

必要なベアリングとリール部品

必要なBBのサイズと個数、改造に必要となるリール部品がこちら。

いずれも「FC LT1000S」~「LT4000-CXH」まで全サイズ共通です。

<ベアリング>

▼スプール内用
外径10mm x 内径6mm x 幅2.5mm 1個
 → NMB DDL-1060

▼スプール受け用
外径11mm x 内径7mm x 幅2.5mm 1個
 → NMB DDL-1170

▼ハンドルノブ用
外径7mm x 内径4mm x 幅2.5mm 2個
 → NMB DDL-740ZZ

▼ラインローラー用
外径7mm x 内径4mm x 幅2mm 1個※
 → NMB DDL-740

※標準で1BB内蔵されており、追加分との性能差が気になる場合は2つ必要

ベアリングは、NMB(ミネベア)製ステンレスベアリングを使用しました。




<リール部品>

ラインローラーへの追加に必要なリール部品がこちら。

参考:18 カルディア LT2500

No.37 部品名:ローラーカラー(A) 部品コード:110011 価格:200円

No.38 部品名:ローラーパッキン 部品コード:185136 価格:300円

No.40 部品名:ローラーカラー(B) 部品コード:110010 価格:200円

各1個、計:700円

「21 カルディア」のパーツリストがアップされていないため、「18 カルディア」の部品を参考にしました。

「No.」はリール毎に異なりますが、基本的に「部品名」と「部品コード」は固定です。

これをメモするか印刷するなどして釣具店で部品を取り寄せできます。

だいたい注文から1週間ほどで入手できるはずです。

使用するツール

追加に必要な工具・ツールがこちら。

六角棒レンチ(0.89mm)

マイナスドライバー(刃幅:4.5mm)

・マイナスの精密ドライバー
(先端が細いもので代用可)

・ノブキャップ用ツール
(先端を曲げたクリップなどで代用可)

必要なのはイモネジを外すための0.89mmの六角棒レンチと、各部のネジを緩める4.5mmのマイナスドライバー。

マイナスの精密ドライバーはストッパーを外す際に、ノブキャップ用ツールはハンドルノブのキャップを引き抜く際に使用します。

ベアリングにはグリスを推奨

各ベアリングへ注油するケミカル類ですが、オイルではなく「グリス」を推奨。

いずれも高速回転する部位ではなく、耐久性・持ちが重視されるため、グリスが適しています。

ハンドルノブ以外のベアリングはオープンベアリングのため、スプレーグリスなどでも十分にグリスを充填可能です。

ハンドルノブ用のシールドベアリングにもスプレーグリスである程度はグリスを注油できます。

「21 カルディア」の各部位にベアリングを追加する方法

それではいよいよ各部位への追加方法を解説します。

スプール内に追加する手順

まずは「スプール内」。

ドラグノブを緩め、スプール本体を取り出します。

一番上に見えている六角形状のストッパー(ドラグリング)を取り外します。

マイナスドライバーを隙間に刺し、溝に収まっているストッパーを外します。

このとき、ストッパーを飛ばして紛失しないように注意。

反対側を指で抑えながらやると飛ばしにくいです。

このストッパーを外すことでドラグディスクWを外せるようになります。

その次のドラグWはリールの番手サイズによって構成が異なりますが特に気にせず外してください。

その際、ドラグワッシャーにゴミなどが付着しないようにだけ注意。

次はスプール内部に見えているいるストッパー(スプールカラーリング)を外します。

こちらは初めに外したものと同じ要領で外しますが、初めのものより硬く、より飛ばしやすいため慎重に。

このストッパーを外すと、今回BBに交換するスプールカラーが取り外せます。
(スプールカラーは反対側から押し出す要領で抜き取ります)

外したカラーの代わりにグリスを充填したベアリング(DDL-1060)を設置。

後は元通り組み直すだけです。

組み直す際の注意点として、各部のストッパーがしっかりと嵌め込まれ溝に収まっていることを確認してください。

↓こちらはしっかりと収まっていない悪い例。

突起までしっかりを溝に収めてください。

スプール受けに追加する手順

次は「スプール受け」。

白いプラスチック製のカラーをBBに交換します。

まずはスプールメタルをメインシャフトに固定しているイモネジ(スプールメタルSC)を外します。

ここで0.89mmの六角棒レンチを使用します。

イモネジを外すことでスプールメタル一式を取り外せます。

白いスプールメタルカラーをベアリング(DDL-1170)に交換します。

元通りに組み直し、スプールメタルをイモネジで固定すれば作業終了。

ハンドルノブ内へ追加する手順

次は「ハンドルノブ内」。

こちらは簡単。

ハンドルノブキャップを外し、ネジを緩め、ハンドルノブを取り外します。

白いカラーをベアリング(DDL-740ZZ)に交換するだけです。

あとはノブのガタつき具合に応じてワッシャーで調整しましょう。(シム調整)

ラインローラーに追加する手順

最後に「ラインローラー」。

「21 カルディア」は標準で1BB内蔵されていますが、更にもう1BB追加可能です。

ラインローラーを固定しているネジを緩めて外します。

このタイプのローター・ラインローラーにはネジロックが塗布されていないようで、比較的簡単に緩めることができました。

取り外せるようになったラインローラーの部品を並べた状態がこちら。

標準のBBは白い部品内に収まり、黒いパッキンが被せられています。

それを展開してみた状態がこちら。

追加する際に標準のBB一式は分解・展開する必要はありません。

2BB化には、これら一式を反対側にも用意します。

標準で最初から装着されていた金色と白色のカラーは使用しませんので取り外します。

代わりに「ローラーカラー(A)」、「ローラーパッキン」、「ベアリング(DDL-740)」、「ローラーカラー(B)」を反対側と同じように組み込みます。

金色のワッシャー(「ローラーカラー(A)」)、「ローラーパッキン」がそれぞれ外側にくるようにラインローラーを組み込みます。

反対側も同様に。(「ローラーカラー(A)」を入れ忘れないように注意)

これでラインローラーを2BB化することができました。

【フルベアリング】 「21 カルディア」 MAX11BB仕様

標準6BBに5BB追加で11BB仕様へとなりました。

掛かった費用は、ベアリング:約1,500円(@300円)+部品:700円=2,200円。

カルディアはラインローラーの2BB化に、スプール支持部にそれぞれベアリングを追加でき、シマノでいうところの「リジットサポートドラグ」化できるのが強みです。