「ヴァンフォード」ベースのバスフィッシング専用リール、シマノ「21 コンプレックスXR」が登場。

軽量・低慣性のクイックレスポンスシリーズ「20 ヴァンフォード」をベースにドラグシステムをチューンアップ。

スプール支持部のリジットサポートドラグ化に、C2000番には追従性に優れたハイレスポンスドラグを、2500番には瞬時な調整を可能とするラピッドファイアドラグを採用しています。

バスフィッシングに特化 シマノ 21 コンプレックスXR

ライトリグを究めるC2000サイズとパワフルな2500サイズでバスフィッシングの新たな扉が開く。

回転の軽さと操作性、そして感度の3要素を軸にチューンナップしたバスフィッシング専用スピニングリール。 マグナムライトローター、マイクロモジュールギアⅡ、サイレントドライブ、Xプロテクト、ロングストロークスプールなど先進仕様を惜しみなく投入。フロロ4lb以下がメインとなるC2000サイズには細糸の強度を極限まで引き出すハイレスポンスドラグ、フロロ4~6lbやPEラインが多用される2500サイズにはメリハリの利いたやり取りにより主導権を握るラピッドファイアドラグと、用途に合わせたドラグシステムを個々に搭載。特徴的な性能の使い分けが、戦略の幅を広げます。

引用元:コンプレックスXR[COMPLEX XR]|スピニングリール|シマノ -SHIMANO-

ラインナップ・スペック・価格・発売日

ラインナップは、C2000番、2500番に2種のギア比(ノーマル・ハイギア)の計4種。

品番 ギア比 最大巻上長 自重 実用/最大ドラグ力 スプール寸法 糸巻量(フロロ) 糸巻量(PE) ハンドル長 ベアリング 本体価格
C2000 F4 5.1 69cm 155g 2kg/3kg φ43mm/13.5mm 4lb-100m 0.6号-180m 45mm 9/1 34,300円
C2000 F4 HG 6.1 82cm 155g 2kg/3kg φ43mm/13.5mm 4lb-100m 0.6号-180m 45mm 9/1 34,300円
2500 F6 5.3 78cm 175g 2.5kg/4kg φ47mm/17mm 6lb-100m 0.8号-200m 50mm 9/1 35,300円
2500 F6 HG 6.0 89cm 175g 2.5kg/4kg φ47mm/17mm 6lb-100m 0.8号-200m 55mm 9/1 35,300円

「F4」はフロロ:4lb-100、「F6」はフロロ:6lb-100のラインキャパを意味しています。

前モデルにあった#1000ボディに#2500スプールを搭載した「C2500S」がなくなり、代わりに「C2000」になりました。

<5/31 訂正>

C2500は2500番ボディにC2500番スプール(φ43mm)を搭載したモデルです。

ダイワの番手と混同し、勘違いしておりました。

シマノ スピニングリール 「C2500S」というマイナー番手

C2500番が良かったのにという意見もあると思いますが、スプール径は前モデルの「C2500S」がφ43mm、XRの「C2000」がφ42mmと僅か1mm差
(ちなみに2500番がφ46.5mm→47mmで+0.5mm)

番手からくる印象ほど実際のサイズ感は変わりません。

発売は、2021年4月発売予定




「21 コンプレックスXR」の特徴

「21 コンプレックスXR」の特徴、スペックと採用テクノロジーをチェック。

「20 ヴァンフォード」をベースに、バスフィッシングに求められる要素が追求されています。

「20 ヴァンフォード」がベース

「コンプレックスXR」は、昨年発売された「20 ヴァンフォード」をベースとしています。

ヴァンフォードはカーボン樹脂のCI4+製ボディ&ローターを採用した軽量・低慣性リール

<ヴァンフォードの採用技術一覧>
・AR-Cスプール
・ロングストロークスプール
・Gフリーボディ
・超々ジュラルミン製HAGANEギア
・マイクロモジュールギアⅡ
・X-SHIP
・サイレントドライブ
・Xプロテクト
・ワンピースベール
・ねじ込み式ハンドル

これをベースにバスフィッシングに求められる要素を追求したチューンが施されています。

【クイックレスポンス】 マグナムライトローター

回転慣性を低減化しローター剛性を強化。
左右非対称のローター構造を採用し、操作性と感度の向上を求めて、異次元の回転軽さを実現したマグナムライトローター。さらにラインローラーの軽量化、ベールのチタン化、ローター肉厚の最適配置を行い回転慣性の低減に成功しました。

クイックレスポンス(MGL)シリーズの要、軽量&低慣性のマグナムライトローターを搭載。
(ベースリール「ヴァンフォード」とカラー違いの同型)

最新型の最軽量ローターで巻き始めの軽さ、回転レスポンスに優れているのが特徴です。

用途に合わせたドラグシステム

バスフィッシング用の釣種専用リールとして、一番の特徴がドラグシステム

コンプレックスXRは、使用するラインの太さ、用途によって採用しているドラグシステムが異なります。

4lb以下のラインを巻くC2000番は「ハイレスポンスドラグ」、5lb以上のラインを巻くことが想定された2500番は「ラピッドファイアドラグ」を採用。

【C2000 F4】 追従性に優れたハイレスポンスドラグ

ファイト中の魚のスピード変化に対するレスポンスが良いドラグ。特殊なドラグ機構を採用。例えばボート際でファイトスピードを急に上げるスモールマウスバスなどの魚に最適。ファイト中の糸切れを防止。

小型(#1000ボディ)・軽量なC2000番は、4lb以下のラインを用いたフィネスな釣りが想定され、追従性に優れた「ハイレスポンスドラグ」が採用されています。

聞き慣れないドラグシステムに少し調べてみると、どうやら「18 ステラ」用のカスタムスプール「夢屋 18ステラ 1000 F3スプール」に搭載されたドラグシステムのようで、開発に携わったジャッカル代表・パスプロの小野俊郎氏のフェイスブック記事に詳しく解説されているため、そちらを引用します。

今日はスピニングリールのドラグについて。
かなりディープな話です。

さて、業界の通説としては最高の評価を受けているシマノスピニングのドラグですが、誤解を恐れずに言うと個人的にはちょっと「粘りすぎ」な印象を持っていました。

確かに、初期の滑り出しは、気が付かないうちにドラグが滑り出しているほどにスムーズなのですが、魚に「ギュイ~ン」とスピードを上げながら引き込まれた時は、その速度にドラグが反応できずにラインブレイクをしてしまうことがありました。 アングラーの感覚として初期は滑らかに感じるのですが、後半はドラグ力が強すぎてしまうようなフィーリングです。 正直、シマノのスピニングを使い始めた当初は、この「粘り」に慣れるまでに相当時間がかかってしまいました。 現在はその対策として、ドラグをズルズルの設定にしてちょうど良い感じです。

で、1年以上前から自分のフィーリングに合ったドラグの開発テストを始め、今回、夢屋から「ハイレスポンスドラグシリーズ」としてステラの替えスプールが発売されます。
このドラグの特徴は、滑り出しと、引き込み中盤のスピードが上がってからのドラグテンションが均一に感じるのが特徴で、テストの初期段階からまさに自分の理想のドラグパフォーマンスを発揮してくれています。

メリットとしては、しっかりと締めこんだ状態でドラグをセットできるので、無用に魚を走らせることなく止めることが可能でありながら、いったん滑り出せば、軽く滑らかにラインが出てくれるのでラインブレイクのリスクも大幅に軽減できるといった具合です。

元来のシマノスピニングのドラグや、ダイワのATDドラグなどは、滑り出しの滑らかさや粘りが特徴で、事実、一般の釣り人のドラグ評価も、滑り出しが主に重視されるポイントなのですが、自分が考える「より実戦的な理想のドラグ」とは、滑り出しだけでなく、滑り出してからもアングラーのイメージ通りにスムーズに、魚の引きに合わせてレスポンスよくラインが出ていってくれることが非常に重要なポイントだと考えています。

デキるアングラーなら、きっとこの違いが分かってくれると思います。 この夢屋スプールのフィーリングは相当に違いますよ!

引用元:Facebook

【2500 F6】 瞬時なドラグ調整を可能とするラピッドファイアドラグ

ドラグノブの回転数に対するドラグ力の変化が大きく、ストラクチャー周りで魚を止めたいとき、足元で急に突っ込まれたときなど、瞬時にドラグ調整をしたいシチュエーションで非常に有効な機能です。

5lb以上のラインを用いてフィネスからパワーフィネスの釣りに使う2500番には、ドラグを瞬時に調整できる「ラピッドファイアドラグ」を採用しています。

こちらはドラグノブを回した際の調整幅・変化幅が通常より広く設定されており、僅かなノブの回し具合で瞬時にドラグ力を調整することができます。

ドラグを一定に調整したまま使うのではなく、状況に合わせてアングラー側でドラグを操作するマニュアル的な使い方に有効なシステムです。

【共通】 リジットサポートドラグ

メインシャフトによるスプール支持を構造的に強固にすることでドラグ作動時におけるスプールの遊びやフラツキを抑え、高負荷時でも安定したラインの送り出しを可能にしました。

スプール内とスプールを受ける部位をベアリングで支持する構造。

こちらはC2000番と2500番の両方に採用されています。




【まとめ】 ベースリール「20 ヴァンフォード」との違い、進化点

ヴァンフォードとの違い・進化点をまとめると、

重量がC2000は5グラム増、2500は同重量

ハンドルがCI4+製ハンドルに

リジットサポートドラグ化

C2000番はハイレスポンスドラグ採用

2500番はラピッドファイアドラグ採用

ベアリング数が7/1から9/1へ2BBアップ
(リジットサポートドラグの2BB)

価格が4,300円アップ

当たり前ですがベースリールからスペックアップしています。

C2000番が5グラム増えている要因が気になりますが、体感は誤差程度でしょう。
(これといって重くなる要素が見つからず、むしろハンドルがCI4+製になったことで僅かに軽くなっていそうなものなのに)

ヴァンフォードでは構造的にできなかったリジットサポートドラグになったのは地味にポイントです。




ドラグがチューンされたソルトでも使えるフィネスリール

ドラグがチューンアップされた「コンプレックスXR」。

追加・変更されたドラグシステムについて、その機能がどこの部位に該当するかいうと、

ハイレスポンスドラグ・・・スプール(スプール内のドラグ構造・グリス)ドラグノブも…?

ラピッドファイアドラグ・・・ドラグノブのみ

該当部品を取り寄せて装着することで、スプール互換のある「20ヴァンフォード」や「19ストラディック」にドラグシステムを再現できる可能性があります。(未確認)

特にスプールはBB内蔵なので交換すればリジットサポートドラグ可も可能に。

用途に応じた番手を選ぶのがもちろん一番ですが、魅力的なのは断然「ハイレスポンスドラグ」でしょう。

また、バス用ということもあって淡水専用のイメージを持たれるかもしれませんが、防水構造「Xプロテクト」搭載に防錆BB使用でソルトでも問題なく使用できます。
(いずれ同じヴァンフォードベースでエギングの「セフィア」やライトソルト(アジング・メバリング)の「ソアレ」が出るでしょうが)

他の釣種でいえばエリアトラウトにも向いたリールとなっています。