期待の軽量・低慣性リール、ダイワ 「19 バリスティック FW」。

Fインプレに続き、今度は更に細かなところをチェックしてみました。

関連記事:ダイワ 19 バリスティック FW LT2000SS-XH Fインプレ

17セオリーのLTコンセプト・マグシールドレス化+上位エアローターと、純粋なスペックアップかと思いきや、まさかの部分がダウングレード…。



19バリスティックFWを更に細かくチェック

前回のファースト・インプレッションでは、簡単な特徴と各部の重量だけに終わりましたが、今回はより細かく突っ込んでチェックしてみました。

ベースとなった17セオリー、同型ボディで下位モデルの18カルディアと比較すると、19バリスティックFWのスペックがより理解できるかと思います。

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軽量化の要 薄肉アルミ製スプール

大幅な軽量化と要因となっている「薄肉アルミスプール」。

同じ薄肉アルミスプールの17セオリーのものより更に軽くなっています。

新形状のスプールエッジ形状「LC-ABS」も糸抜けの良さを体感できるほど。

LTコンセプト関連で一番性能アップが分かりやすいのがこのスプールです。

このままでも十分軽く不満はないのですが、どうせならラインストッパーを排除し、ブランキング(穴あけ)もできないほど極限まで薄く削り込むことで軽量化を図った「17月下美人AIR」の肉薄アルミスプールをこういった機種に採用して欲しかったところ。



ハイエンドモデルと同等のZAION製エアローター

19バリスティックFWの目玉の一つであるZAION製エアローター

16セルテート、18イグジスト、19セルテートと同型の最新・最上位グレードのエアローターとなります。

繋ぎ目がない一体型ベールのシームレス新形状エアベールが非常に美しいです。

段差だけでなく、ラインローラーの幅も広がっています。

ラインローラーは標準で2BB仕様



ちなみにこのラインローラーのネジが非常に固いので注意。

赤色のネジ緩み止め剤が塗布されており、接着剤かってくらいしっかり止まっています。

中身の確認のため一度緩めてみましたが、壊れるかと思ったほど。

下位モデルのように弱めの青色の方を使って欲しかったところです。



【淡水専用】 マグシールドレス

FW-フレッシュウォーター:淡水専用の要因となっているマグシールドレス

見た目は大きな変化がありませんが、内部のマグオイル(磁性オイル)、プレートに強力なマグネットが付いていません。

僅かながら抵抗になっていた磁力がなくなることにより、マグシールド搭載機に比べて巻きが軽くなっています。



ローラーベアリング(ワンウェイクラッチ)はこんな感じ。

セオリーと同じものでしょう。(黒色)



更にマグシールドレスモデルの特徴の一つとしてハンドル根元・ボディキャップのパッキンがありません。

ここはパッキンが有ろうが無かろうがそこまで変わらないような…。



マグシールドなんて要らないのでは?と思いつつ、いざなくなると不安になる方が少なからずいることでしょう。

マグシールドがなかった時代はこれが “普通” でした。

潮を被るような状況での釣りには、マグシールドの効果は確かにあります。

反面、そうでないアジングなどの漁港メインの釣りには不要な代物。

1000-2000番を使うライトゲーム全般には、マグシールドの防水効果より、マグシールドレスによる巻きの軽さへの恩恵が大きいです。



ボディ内部をチェック ジュラルミン製タフデジギヤ

せっかくなのでボディを開けて内部もチェックしてみました。

ドライブギヤは反対側にストッパーが嵌っているのでそれを取らないと外せません。

ジュラルミン製タフデジギヤ

LTコンセプトモデルの特徴の一つであるタフデジギヤ

19バリスティックFWは17セオリーと同じジュラルミン製となっています。

直径は約φ28mm。
(正確には28mmに僅かに届かないくらい 27.5~28mm)



<ドライブギヤ重量>

自重:12.25g

18カルディア LT1000S-Pの亜鉛製タフデジギヤが自重:19.2g。

これだけで約7グラムもの軽量化に繋がっています。

もちろん強度・耐久性もジュラルミン製の方が上。



まさかのローターナットベアリング 「リニアシャフト」非搭載

最後にFインプレではあえて触れなかった部位、ローターを固定しているナット。

まさかのローターナットベアリング非採用…。

ローターナット内にBBを内蔵し、メインシャフトとピニオンギヤを独立支持する構造。

ダイワはリニアシャフトという名称でテクノロジーの一つとしています。

■リニアシャフト

メインシャフトとピニオンギヤを独立して支持する構造により両者の摩擦抵抗をなくし、高負荷時の巻取りでもパワーロスを限界まで減少させる。

ベースとなった17セオリーには採用されていました。

それが上位(少なくともボディ本体は同ランク)の19バリスティックFWには非採用…。

思わぬところにケチがつきました。

わざわざ最上位のローターを搭載したというのにこの謎のダウングレード…。

17セオリーと19バリスティックFWの価格差は約3千円。

ローターがアップグレードされた分を考慮しての差別化でしょうか。

3千円差といってもバリスティックFWはJANコードに*付きであまり値引きは期待できません。

対する17セオリーはセール時には4割引が当たり前。

いくらローターがアップグレードされたとしても、冷静になってみると割高に感じます。



ちなみにリニアシャフト・ローターナットベアリング化といった改造はできません。

ローターナットの形状はもちろんのこと、ピニオンギヤの長さも違うため、別途ローターナットベアリング一式を用意しても装着できません。
(ダイワはギア類の取り寄せ不可)

待望の低慣性を追求したモデルとのことで期待していましたが、思わぬところでがっかりさせられることとなりました。

自分の中で17セオリーの評価が上がり、次期ルビアスへの期待値がどんどん増すことに。