ベイトリールユーザーに評判の高いデュエルの「アーマードF+」。

PEとフロロの複合ラインで、そのコシの強さが一番の特徴。

開けた渓流域から狭い源流域で使ってみた感想をレポート。

ベイトフィネスリールにデュエルのアーマードF+を巻いてみた

DUEL(デュエル) Armored F+(アーマード フロロ+)をおさらい

モノフィラメントの扱いやすさとマルチフィラメントの強度・感度・飛距離を両立

第4の次世代ライン、Armored

もっと釣れるライン「Armored®」シリーズ | DUEL YO-ZURI OFFICIAL WEB SITE

インプレの前にまずは「アーマードF+」がどんなラインなのかをおさらい。

ウルトラPE+フロロカーボンの複合ライン

ウルトラPE+フロロカーボン
扱い易い 極細最強スーパー繊維

独自のFRD技術により、フロロ樹脂をポリエチレン樹脂中にナノ分散させ、滑り性、耐久性を向上させました。

デュエルお得意の複合ライン。

通常のPEラインより直線強度が高く、PEの弱点である耐摩耗性にも優れているようです。

高比重とまではいかないまでも比重1.0と水馴染みも良さそう。

モノフィラメント並のコシの強さ

通常のPEラインと比較して一番違いが感じられるのがコシの強さ。

写真では分かりにくいと思いますが、ラインが立つほどしっかりとしたコシがあります。

これまでさまざまなコシの強いコーティングPEラインを試してきましたが、ここまで張り・コシの強いラインはこれが初めて。

このコシの強さがベイトリールとの相性が良いとされる要素ですが、実際の使用感はいかに・・・

「F」、「F+」、「F+pro」の違い

アーマードシリーズには「F」、「F+」、「F+pro」の3グレードがあり、それぞれの特性がこちら。

F・・・スーパーPE×フロロカーボン×シリコン

F+・・・ウルトラPE+フロロカーボン

F+pro・・・ウルトラPE×フロロカーボン×シリコン

今回選んだF+にはシリコンは配合されていないようで、FとF+proの違いはPEの原糸のグレードのようです。

F+プロでも実売価格はそれほど高くないので、選択肢は実質「F+」と「F+pro」の2択でしょう。

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【実釣インプレ】 ラインが浮きやすさがとにかく気になる

昨シーズンは「16 アルデバランBFS」に、今シーズンは「17 カルカッタコンクエストBFS」に巻いて渓流トラウトに使ってみました。

号数・巻量は0.6号を30メートルほど。

リーダーは1.2号または1.5号のフロロを矢引き(約75cm)分、結束はFGノットで。

ある程度開けた渓流域から、川幅の狭く周りにキャストの妨げとなるものが多い源流域で使用。

ラインが浮きやすく、スプールにキレイに巻かれにくい

まず一番の感想が、とにかくラインが浮きやすいこと

コシが強いため、ちょっとでもラインの放出とスプールの回転が噛み合わないと簡単にラインが浮いてしまいます。

渓流ではロッドを振り切れず、十分なスプールの回転が得られにくい場面が多々あります。

小場所でキャストしていると、これまでラピノヴァやパワープロZといったPEラインを使っていて何の問題もなかったものがアーマードF+ではご覧の有り様。

明らかにこれまで使ったPEラインよりラインが浮きやすく、いつもの感覚でキャストし続けていると、浮いたラインをそのまま巻いてしまっているという場面が多々ありました。

当然これを直さないままキャストし続けていると、ちょっとした開けたポイントで遠投した際に盛大にバックラッシュ…。

キャストするルアーの重さ、自分の技量によることももちろんあるでしょうが、少なくともこれまで使っていたPEラインではここまでライントラブルに見舞われることがありませんでした。

ここ数年は軽く浮いたラインを直すことはあっても、バックラッシュまではいくことはゼロと言ってもいいくらい。

正直言ってアーマードF+を使っての渓流釣行はストレスの連続でした。

フルキャストできる場合は問題なし

上記の致命的な問題は、開けたエリアでフルキャストできる場面ではほとんど起きませんでした。

基本的に周りにキャストの障害となるものがなく、ロッドをしっかりと振り切れる状況では問題ないようです。

強度・耐摩耗性はなかなか

PEとフロロの複合ラインということで心配なのが強度。

この手のラインにありがちなノットを締め込んだ際にブチッと切れるといったトラブルはありませんでした。

渓流ではあまり強度を必要とする場面がないため、強度・耐久性に関してはあまり何とも言えませんが、表面に毛羽立ちなども見られず、耐摩耗性・強度は十分にありそうです。

【総評】 合う合わない、好き嫌いが分かれるライン

ベイトユーザーに評判の高い「アーマードF+」。

渓流ベイトフィネスを始め、最近ではベイトチニングにも人気だとか。

このラインを使った個人的な感想としては、自分には合わない、少なくとも渓流用途ではもう巻こうとは思いません。

ロッドを振り抜いてキャストできるか、そうでないかで極端に使用感が異なり、とにかくラインの浮きやすさがネックで使いにくい印象。

基本的に近距離の釣りには不向きで中・遠距離向けなラインといった感じです。

もともとPEラインばかり使っていてナイロン・フロロに不慣れなためか、このコシの強さにはどうも馴染めそうにありませんでした。

バサーには通常のPEラインよりは馴染みやすいのかも…?

これならコーティングされておらずコシのないPEラインの方がマシなくらいです。

好き嫌いがはっきりと分かれそうなラインなので、気になった方はとにかく一度使ってみることをオススメします。

0.6号-150m巻きで実売1,500円~2,000円ほどと比較的手頃な価格帯です。