シマノ 「20 ヴァンフォード C3000SDH」のファースト・インプレッション。
クイックレスポンスシリーズとして、ヴァンキッシュの弟分、ストラディックCI4+の後継機種となるヴァンフォード。
その特徴やスペック、各部の重量などをストラCI4+との比較を交えてチェックしていきます。
関連記事:シマノ 「ヴァンフォード」デビュー ストラディックCI4+の後継モデル
シマノ 20 ヴァンフォード C3000SDHの特徴とスペック、各部重量
意のままに操れる「超感度・軽量」でフィールドを攻略せよ
マグナムライトローターと軽量ボディにより、巻き出しの軽さと優れた操作性を実現。また、滑らかで静粛性の高いギアフィーリングを叶えるマイクロモジュールギアⅡ、サイレントドライブを搭載し、より繊細なリーリングも可能。さらにロングストロークスプールによる遠投性能やXプロテクト、HAGANEギアによる耐久性能も譲らない。結果を求めるテクニカルかつストイックなアングラーへ。
<スペック>
品番:C3000SDH
ギヤ比:5.3
巻き取り長さ:78cm
自重:180g
スプール寸法:φ47mm/17mm(径/ストローク)
実用ドラグ力:3.5kg
最大ドラグ力:9kg
標準糸巻量:PE 0.6号-200m、0.8号-150m
ハンドル長:45mm ダブルハンドル
ベアリング数:9/1(ボール/ローラー)
本体価格:33,000円
生産国はMADE IN MALAYSIA マレーシア産です。
<付属品>
・リール本体&ハンドル
・調整ワッシャー
・スプール糸止めシール
・取扱説明書
・分解図&部品リスト
リールバッグはありませんでした。
ヴァンフォードはストラディックCI4+の後継機種
「20 ヴァンフォード」は回転レスポンスに優れたクイックレスポンス(MGL-マグナムライト)シリーズ。
MGLシリーズの最上位モデル「19 ヴァンキッシュ」の弟分・廉価版にして、人気機種であった「16 ストラディックCI4+」の後継機種にあたります。
てっきり「20 ストラディックCI4+」という名称でくるのかと思いきや、MGLシリーズの上位機種であるヴァンキッシュからもじった名称となりました。
コアソリッドシリーズの「19 ストラディック」と混同を避けるためでしょうか。
前モデルでは「無印ストラ」だとか「赤ストラ」などと言われていましたが、確かに紛らわしいといえば紛らわしいですね。
【デザイン 】 お約束の赤×黒
「20 ヴァンフォード」のデザインは、ブラック(半光沢)ベースにレッドのアクセント。
バスロッド「ゾディアス」やエギングの「セフィア」と相性の良いカラーリングです。
リール本体のカラーは変わっていますが、前モデル「16 バンキッシュ」と同系統色。
ボディカラーがガンメタからブラックになったことで落ち着いた印象になりました。
マイクロモジュールギアⅡ&サイレントドライブを搭載したCI4+製ボディ
「20 ヴァンフォード」は、カーボン樹脂素材CI4+製のボディ&ローターを採用しています。
ここが上位モデル「19 ヴァンキッシュ」との大きな差で、19ヴァンキッシュはマグネシウム製ボディを採用。
(正確にはマグネシウムをメインにカバー・ギアボックスがCI4+製のハイブリッドボディ)
ローラークラッチ部には防水機構「Xプロテクト」を採用し、内部には滑らかで軽い巻き心地を実現する「マイクロモジュールギア2」&「サイレントドライブ」を搭載。
ドライブギアはもちろんジュラルミン製の「HAGANEギア」です。
16ストラディックCI4+のボディと比較して、HAGANEロゴが削除、露出しているネジが2本になり、スッキリとしたデザインになりました。
その他、逆転ストッパーは従来どおり非搭載。
ハンドルキャップのネジ型も変わらず、これまで通りのリールスタンドが装着できます。
前モデルから約10グラム軽量化
自重:182.8g
カタログスペック値から若干オーバーしていますが、まぁ許容範囲内。
近い番手で「16 ストラディックCI4+ 2500HGSDH」の190グラムから10グラム軽くなっています。
他番手でも概ね10グラムもの軽量化を実現。
【飛距離UP】 ロングストロークスプール
今回のモデルチェンジで新規採用された技術特性の一つが「ロングストロークスプール」。
#2500サイズで従来比約4%の飛距離UPを達成とのこと。
(ドーム内での当社飛距離テストによる)
飛距離アップが見込まれるのは良いことですが、ストローク長が変わったため、前モデルとのスプールの互換性が失われている点には注意です。
<スプール重量>
自重:33.49g
最大ドラグ力の強い多板式ドラグを採用したC3000番スプールのため、同スプール径の2500番と比べるとやや重めとなっています。
参考までに、16ストラディックCI4+ 2500Sのスプール重量が約29グラム。
【軽量&低慣性】 クイックレスポンスの要 マグナムライトローター
クイックレスポンスの要であるローターは、上位モデル「19 ヴァンキッシュ」と同等の最新型CI4+製マグナムライトローターを採用。
基本形状こそ変わっていませんが、前モデルと比較して高さが増しています。
(ストローク長が変わったためか)
(左:16 ストラディックCI4+、右:20 ヴァンフォード)
その他、中心部の筒状の部分が小口径化され、水の侵入を防ぐためと思われる”ねずみ返し”状のパーツが追加されました。
(ねずみ返し状のパーツを外しています)
「18 ステラ」から?、ベールがかなり上向きとなっています。
ラインローラーは標準で1BB。
これまで通りの方法で2BB仕様にすることも可能と思われます。
<9/21追記>
1BB追加でき、上位モデルの部品を移植することなく簡単に2BB化可能です。
<ローター重量>
自重:31.0g
(ねずみ返し状のパーツが1グラムない程度)
参考までに、16ストラディックCI4+ 2500Sのローター重量が31.2g。
意外なことにほとんど変わりません。
もう少し軽量化されていることに期待していたのですが、高さが増した分で相殺されたのでしょうか。
もちろんこれでシマノ最軽量のローターになりますので、レスポンスの高さはさすがといったところです。
C3000SDHはCI4+製ダブルハンドルを採用
他番手はアルミ製ハンドルのようですが、エギングを意識した「C3000SDH」のみCI4+製の90mmダブルハンドルを採用。
また、ハンドルノブ内のベアリングが前モデルから1BB増え、標準で2BBとなりました。
<ハンドル重量>
ハンドル総重量:27.3g
▼内訳
ハンドル本体:17.4g
ハンドルノブ:3.9g
その他、BB、ネジなど
CI4+製だけあって非常に軽量です。
【改造】 スプール受けにベアリング追加可
スプール受け部がこちら。
前モデル同様にスプール受け部のカラーをベアリングに交換可。
スプール内にはベアリングが入らない構造となっているため、疑似リジッドサポートドラグにはできません。
ローターナットベアリングに改造可…?
前モデルと地味に変わっているのがローターナット。
簡素なナットから凝った構造のナットに変わっています。
(上:20 ストラディックCI4+、下:20 ヴァンフォード)
構造的にここにベアリングを追加できることが見込まれ、これまで上位機種にのみ採用されたローターナットベアリングとなりそうです。
上位モデルのものとは構造が異なり簡易なものですが、ベアリング追加可能です。
【Fインプレ】 期待通りの軽量&低慣性リール『ヴァンフォード』
自重の軽さ、回転レスポンスの良さから人気を博した「16 ストラディックCI4+」。
その後継機ということで期待の高かった「20 ヴァンフォード」ですが、期待通りのスペックに人気&売り行きモデルとなること間違いなしのリールです。
正直なところ、似たような番手を選んだということもあって軽く触った程度では前モデルとさほどフィーリングは変わりません。^^;
(巻き心地などは実際に使ってみないことには何とも…)
<9/21 追記>
実際に使ってみました。
正直なところ目隠ししてストラディックCI4+と使い比べてもたぶん分かりません。^^;笑
それでも期待を裏切ることなく正当進化しているので、今のところマイナス要素はなし。
来年以降に発売される派生モデルも気になるところですが、それまで待てないという方が多いことでしょう。
ライトゲーム用途に「C2000S」、バスに「2500S・2500HGS」、エギング・シーバスに「C3000SDH・C3000HG」あたりが売れ筋となりそうです。