ダイワのNEWベイトフィネスリール 「20 アルファス AIR TW」。
Fインプレに続いて、実釣インプレ。
渓流ベイトフィネスでの使用感をレポート。
「アルファスエア TW」の特徴とスペックはこちら。↓
アルファス AIR TW 実釣インプレッション
「20 アルファス AIR TW」、早速渓流で使ってきました。(渓流ベイトフィネス)
キャスト性能のテストが主目的でしたが、思わぬ大物で入魂も・・・
先に書いておくと、たぶん気になるであろうアンダー1グラムをキャストできるかってのはテストできていません。
(1gのスプーンかジグヘッドを持っていくのを忘れていました)
実際に投げてみたルアーの下限は2.4gのスプーンです。
【タックルセッティング】 軽量キャストに適したロッド&ライン
2グラム以下の軽量ルアーのキャストには、リールの性能だけでなく、ロッドやラインも重要になってきます。
ロッドは、パームスの「レラカムイ RKSC-42XUL」。
軽いウェイトのルアーでもしっかりとロッドを曲げやすい、ティップのしなやかな渓流ベイトロッドです。
メインラインには、ヤマトヨテグスのPEライン「PEレジンシェラー」を。
0.6号を約30m巻き、1.5号のフロロリーダーを約80cmほどFGノットで結束しています。
比重の軽いPEラインを少量巻く無難なセッティング。
やや太めの号数なので更に細くするなり巻き量を減らせば、スプールの回転レスポンスの向上が見込まれることでしょう。
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小口径スプールの立ち上がりの良さ、ライン抜けに優れたTWSの相乗効果は抜群
実際にキャストしてみて、一番に感じられるのが “抜けの良さ” 。
特に2グラム台以下のルアーに顕著でした。
これまでのベイトフィネスリールでも快適にキャストできていた3,4グラム台のキャストフィールは正直さほど変わらないものの、2グラム台以下のルアーになるとはっきりと差が出ました。
小口径スプールの回転レスポンスの高さ、ライン放出性能の高いTWSの相乗効果はさすがといったところで、軽いルアーがストレスなくスムーズに延びて飛んでいきます。
反対にそれなりの重量のルアー(渓流では5グラム前後のヘビーシンキングミノー)はあまり飛距離が出ず、φ28mmの小口径スプールが災いしてか、簡単にオーバーランしてしまってバックラッシュしやすい印象でした。
近・中距離のキャストよりも、遠投しようとした際のバックラッシュが意外と多かったです。
もちろん投げ方の問題もあり、基本ふんわりとしたキャストがバックラッシュを起こさず飛距離も出ます。
渓流ベイトに可変インダクトローターは不安定
AIRモデルはスプールの回転数・遠心力によってローターが動く可変インダクトローターを採用しています。
可変インダクトローターは、
・「ピッチングとフルキャスト、その双方でブレーキを微調整することなく即座に対応できること」
・「オン&オフがハッキリした効き」
を売りとしていますが、これが渓流では曲者でどっちつかずの不安定な効きになりがち。
周りにキャストの妨げとなるものが多く、ロッドを振るスペースが限られる渓流では、どうしても中途半端なキャストの仕方になることがあります。
中途半端なロッドの振り(キャスト入力)ではインダクトローターも半端な出方・戻り方をしてしまい、ブレーキの効きが安定しません。
渓流ではこれが一番困るんですよね…。
小場所でショートキャストを繰り返していると、思わぬブレーキが効かないことがあり、無用なバックラッシュに繋がります。
渓流用途では可変インダクトローターのメリットは小さく、デメリットの方が大きいです。
(実際に渓流用にセッティングされたストリームチューンは固定インダクトローターを採用)
僕はこれまでに固定インダクトローターの「PX68 + FSS」と「アルファス + ゾンダスプール」を使い、その後に先代「アルファスAIR」を使ってみましたが、このブレーキの効きの不安定さが気に入らず手放したほどです。
この「アルファスAIR TW」も基本的なブレーキシステムは変わっていないため、この問題はそのまま。
今回は手放すつもりはありませんが、渓流で快適に使うとなると、やはりインダクトローターの固定化が望ましいです。
また、これも可変式のインダクトローターが災いしてか、いまひとつブレーキ設定が煮詰まりませんでした。
ルアーウェイトに合わせてダイヤル2~4あたりで通しましたが、ダイヤルによる調整より、投げ方に左右される印象。
フリップキャストを多用される方にはそこまでブレーキの不安定さを感じにくいかもしれませんが、適当なキャストでとりあえず狙いのスポットに打てればいいやという方は不安定さが気になると思います。(自分は後者)
ドラグクリッカーが欲しいところ
その他、やはりドラグ動作時に音の出る「ドラグクリッカー」は欲しいところでした。
尺イワナが釣れた場面では流れに乗ったこともありドラグが出たのですが、やはり無音なのは寂しい限り。
ライバル社のシマノ 「アルデバランBFS」、「カルコンBFS」にはどちらも「エキサイティングドラグサンド」が搭載されており、今やベイトフィネスリールにドラグクリッカーは標準だと個人的に思っています。
また、ドラグクリッカーの必要性を感じないロックフィッシュ用リールの「20 HRF PEスペシャル」にはATDと合わせて搭載されているというのに、「20 アルファス AIR TW」がUTDでドラグクリッカー非搭載というのは開発者の意図がよく分かりません。(逆なのでは…?)
バスのベイトフィネス用途を主軸に開発されているのでしょうが、購入を検討している一般ユーザーの多くは単にベイトで軽量ルアーをキャストしたいという “遊び” の側面も強いはず。
実用面で言えば必要のない機構かもしれませんが、遊びの要素が強い使い方もすることが多いベイトフィネスリールでこれは非常にもったいない。
メーカーはこの辺りのニーズを甘く捉えているのかなと思います。
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【まとめ】 軽量ルアーのキャストに特化した優秀なベイトフィネスリール
いつもの癖でついマイナス面ばかりが多くなってしまいましたが、肝心の軽量ルアーのキャスト性能はさすがといったところ。
これまで軽量ルアーのキャストにはスプール自重の軽さばかりに気を取られてきましたが、スプール径の影響もばかになりません。
「アルファスCT SV」(φ28mm)でも感じましたが、小口径スプールの効果は凄まじく、明らかに前モデル(φ32mm)よりルアーウェイトの下限が広がり、キャストしやすくなっています。
今回は渓流での使用ということで可変インダクトローターのデメリットが目立ってしまいましたが、キャスト時にスペースが確保され、オーバーヘッド、スリークォーターでふんわりとしたキャストができるのならさほど気にならないはず。
・フルアルミボディ
・TWS
・G1ジュラルミン製AIRスプール(φ28mm)
・G1ジュラルミン製ドライブギア
・ゼロアジャスター
・自重160グラム
・ソルト対応
実売3万円ちょっとでこのスペックは本当にすごいことで、優秀なベイトフィネスリールに間違いありません。
主な用途であるバスフィッシングだけでなく、ベイトアジング&メバリング、エリアトラウトなどにも良いでしょう。
今回は投げることができませんでしたが、アンダー1グラムのキャストも従来のベイトフィネスリールと比べると格段に投げやすくなっていることでしょう。
(1g以下のキャストはまた別の機会に試してみます)