てんこ盛りなスペックながら価格を抑えた ダイワ 「17 セオリー 2004H」の実釣インプレッション。

お世辞にも完成度の高いリールとは言えませんが、この2000番はネイティブ・エリアトラウトに重宝しています。



DAIWA 17 THEORY 2004H これまでの記事まとめ

Fインプレやフルベアリング化など、これまでの記事をまとめてみました。



▼Fインプレ 特徴と各部重量

ダイワ 17 セオリー 2004H Fインプレ 前編 付属品と外観
ダイワ 17 セオリー 2004H Fインプレ 後編 各部特徴と重量



▼細部のチェック

ダイワ 17 セオリーの細部をチェック 前半 スプール周り
ダイワ 17 セオリーの細部をチェック 後半 ボディ周り
ダイワ 17 セオリー ボディ内をちょこっとチェック



▼フルベアリング化

ダイワ 17 セオリー フルベアリング化 前半 スプール内・受け
ダイワ 17 セオリー フルベアリング化 後半 ノブ・ラインローラー



実釣インプレッション

<用途・使用状況>

渓流ルアー:8割、管釣り:2割の割合で約一年使いました。

用途としては基本的に “巻き” の釣り全般。

これまで小型番手に求めていた “初動の軽さ” は求めていません。



<気に入っているところ>

渓流トラウトにと購入した2000番のハイギヤ。

これまで小型番手のハイギヤは、巻き始めの重さが気になり、苦手意識がありましたが用途によっては気になりません。

少なくとも渓流においては巻き始めの重さがどうこうより、少しでも早く巻けることのメリットの方が大きいようです。

自重175グラムと、15イグジストより軽量なセオリー。

本体重量が軽いのでロッド操作による手首の負担が少なく、キャスト回数の多い渓流ルアーでも疲れにくいです。



管釣りの大物トラウト相手に優れたドラグ性能(ATD)を発揮。

最初こそドラグ設定に戸惑ったものの、それなりに強いライン(PE)を使う分には強い引きにも安心してやりとりできます。

メンテナンス性の悪さがややネックですが、まぁ年一回するかどうかの頻度なのでまぁなんとか。



<気になったところ>

まず一番がスプールのブレ。

ここがセオリー固有のガンのようです。

空回しの状態で早巻きすると、スプールが伸びきったあたりでブレているのが確認できます。

他のスピニングリール(ルビアスやカルディアなど)と比べると一目瞭然。

ルビアスはほとんどといっていいほどブレが生じませんが、セオリーは目に見えてブレが確認でき、それによる振動も手で感じ取れるほど。

2000番のブレ・振動はまだ許容範囲内ですが、後に追加購入した「2508PE-DH」は更に酷いものでした。
(2000番と共通ボディでスプール&ローターが一回り大きいことによるものか)



スプールに関連してスプールエッジの形状(ABSⅡ)。

どうもPEラインが引っ掛かりやすい、乗り上げてしまいやすいように感じます。

キャスト後のライン処理が甘いことも考えられますが、「07 ルビアス」をメインに使っていたときと比べても明らかに多い。

セオリーにPEライン、07ルビアススプールにナイロンを巻いて使い分けていましたが、逆の方が良さそうです。



角ばったエッジは傷付きやすいので注意。

気を付けていたつもりですが、渓魚とタックルを並べて撮影することが多いのでいつの間にか当たっていたようです。

もちろんこれは自分の不手際ですが、IP処理された上位機種のスプールと比べると傷に強くないようです。



<総評>

待望のZAION製エアローターが実売2万円ちょっとで購入可能に。

シマノの「16 ストラディックCI4+」に対抗するため、よく頑張ったリールだとは思います。

が、やはり詰め込んだことで今までにない不具合が…。

ストラCI4+にも個体差によるガタが目立つものがありましたが、このセオリーはそれ以上。

そもそもとして部品精度が悪いのか、この価格帯でこのスプールのブレは酷いです。

もちろん全てではなく、特に初期出荷分に多かったようですが、お世辞にも良いリールとは言えません。

ハズレを引いてしまうと、本当にカタログスペックだけのハリボテリールとなってしまうので、購入の際はしっかりと個体を確認して選びましょう。

とはいえ、ZAIONボディ&ローターのリールは時期ルビアスが本命。

セオリーはルビアスの前座として短い生涯を終えそうです。
(ボディが流用される分、EM MSよりはマシか…)

この2004Hに関しては渓流ルアー用としては十分に使っていけるので、このまま使い潰すつもりで使用予定。